表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『Mission5』壮大な詩「生まれ変わったら何になりたいか」

作者: すみ いちろ

水平線の向こう側を目指す渡り鳥たち



地平線の彼方から引かれあう蟲たち



列をなす微生物たち



気づく森林の獣たち



プランクトン始め魚群からなる海洋生物たち



地球上では

 


ある一点に向かう上昇気流


 

我先に枯れ始める植物たち


 

眠りから目覚める古代の影たち



魂の名を呼びあう生き残りの先住民たち



彼の地から呼ばれあう亡者たち生物たち

 


 


宇宙空間の小さな穴ふさぐ地球




小さな穴の向こう側のもうひとつの宇宙




急速に接近するふたつの宇宙




耐えきれずヒビ割れる三つめの次元



 

顔を覗かせた四つめの時空




()盤の目のように広がるブラックホールの穴の中で



 

轆轤(ろくろ)のように回転しながら引き寄せられては




何処(どこ)()くとも行方(ゆくえ)しれず




網目状にはられた七里(しちり)結界に引っかかり




忌み嫌われて近づけない(やつがれ)




九重(ここのえ)銀河の九天(きゅうてん)cubism(キュービズム)




(とお)くから眺める果てしない自由(じゆう)




円環の0を描きながら終わりなき()の中で眠る





地球上では

 


ある一点に向かう上昇気流




生物たちが列をなし吸い込まれ続ける光の帯




静けさを増す無人の大陸と海洋の影




運命を共にする地球の最期




光と影のcontrast(コントラスト)




ゼブラカラーのアメ玉が爆発する




尚も吸い込み続ける連絡通路から




時おり吐き出される何億光年




そのひと呼吸の間に生物のように歪む




歪曲した宇宙空間の小さな穴の中の弁に



 

尚も相変わらず引っかかっている




星というよりは宇宙というよりは




この先の向こう側というよりは




あの先の向こう側というよりは




はるか先の向こう側へ続く真後ろの裏側へ


  


吸い込まれるようにして

  



何億光年分かの光にのって




身をよじらせて




ビッグバンに胸おどらせる

  



生物というよりは  




生命を持たない魂




しばられるのは嫌だから




どこまでも逝きたい


 


すべての(ことわり)を知ったなら




満足して還って来ようか


 


宇宙のちっぽけさを知る




まだ誰も知らない




未知なるエネルギー体Ω(omega)になりたい










 





















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] こんにちは。 すごい詩でした。 かっこいいです。 最初の1行目からもうかっこいい。 もしかして以前、行をされていた頃と違って楽しまれていらっしゃいますか? 力が漲っているというか、エ…
[一言] おっ、Ω…まさかの、Ω…! 本当に、そっ、壮大なお話ですね( ゜Д゜)びっくり! 未知なるエネルギー体Ω(omega)になりたい… おぉお、なんだかスゴくカックイーです! もう少し、…
2020/12/05 18:21 退会済み
管理
[一言]  読ませていただきました。  すみいちろさんは、壮大な詩を書くのがお上手です。  今回もいい(笑)。  すみさん節ここにありって、感じでよろしいんじゃないでしょうか。  ありがとうござい…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ