『Mission5』壮大な詩「生まれ変わったら何になりたいか」
水平線の向こう側を目指す渡り鳥たち
地平線の彼方から引かれあう蟲たち
列をなす微生物たち
気づく森林の獣たち
プランクトン始め魚群からなる海洋生物たち
地球上では
ある一点に向かう上昇気流
我先に枯れ始める植物たち
眠りから目覚める古代の影たち
魂の名を呼びあう生き残りの先住民たち
彼の地から呼ばれあう亡者たち生物たち
宇宙空間の小さな穴ふさぐ地球
小さな穴の向こう側のもうひとつの宇宙
急速に接近するふたつの宇宙
耐えきれずヒビ割れる三つめの次元
顔を覗かせた四つめの時空
碁盤の目のように広がるブラックホールの穴の中で
轆轤のように回転しながら引き寄せられては
何処へ行くとも行方しれず
網目状にはられた七里結界に引っかかり
忌み嫌われて近づけない僕
九重銀河の九天cubism
遠くから眺める果てしない自由
円環の0を描きながら終わりなき無の中で眠る
地球上では
ある一点に向かう上昇気流
生物たちが列をなし吸い込まれ続ける光の帯
静けさを増す無人の大陸と海洋の影
運命を共にする地球の最期
光と影のcontrast
ゼブラカラーのアメ玉が爆発する
尚も吸い込み続ける連絡通路から
時おり吐き出される何億光年
そのひと呼吸の間に生物のように歪む
歪曲した宇宙空間の小さな穴の中の弁に
尚も相変わらず引っかかっている
星というよりは宇宙というよりは
この先の向こう側というよりは
あの先の向こう側というよりは
はるか先の向こう側へ続く真後ろの裏側へ
吸い込まれるようにして
何億光年分かの光にのって
身をよじらせて
ビッグバンに胸おどらせる
生物というよりは
生命を持たない魂
しばられるのは嫌だから
どこまでも逝きたい
すべての理を知ったなら
満足して還って来ようか
宇宙のちっぽけさを知る
まだ誰も知らない
未知なるエネルギー体Ω(omega)になりたい