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謎の少女
サングは思いもよらぬものを見て固まった。少女は緑色のマントをはおり、白のロングスカートは、土や草で汚れている。呆けている場合ではない。息はしているのか?口元に手をあてる。
「良かった!生きてる…」
しかし、まだ安心はできない。早く医者に見てもらわなければ。サングは少女を両手に抱え、町の病院へ急いだ。
「大丈夫じゃ。気絶しておるだけじゃの。」「…安心したよ。ありがとう、ロム先生。」
サングは安堵のため息をはく。
「町の子ではないようじゃのう。目を覚ますまで、ここで様子をみるとするか。」
「頼むよ、ロム先生。俺も様子見に来るよ。」
サングはベッドにいる少女を見つめた。目を閉じて少しも動かない。藍色の肩まである髪、長いまつげ。早く目を覚まさないだろうか。サングは、医院をあとにした。