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第4話 女は怖いよ

食事を終えた俺たちは酒を飲みながら互いに会話という名の情報収集をしている。


俺は今回『銀翼』に接触されたことで、今後厄介事に巻き込まれかねない。


それを最小限に回避したいが、俺の持っている情報は不足している要素が多すぎる。


レオンの皮肉が混じった忠告により、一般的な冒険者と俺の認識には大きな隔たりがあるようだしな。


「あのさ、シン君ってもしかして貴族とかの出身だったりする?」


そんな質問を聞いてきたのは俺の右隣に座って居るエイスだ。


「いや、違うけどなんで?」


「だってシン君の荷物って武器以外にはそのカバンしか無いじゃない。そんなに大きいって訳でもないしさ、<<拡張>>の魔法とかでも掛かってるのかなーって思ってさ」


あの手の魔法って使い手が少なくて値段高くなるじゃん、と彼女は付け足す。


「いや、あれは普通のカバンだ。手にとって確認しても良いよ」


俺の言葉を聞きエイスがカバンを開け中身を取り出してゆく。



・ポーション×3

・携帯食料×2



「これでぜ~んぶって、少なすぎでしょ!」


「これはヒドい」


「ないわー」


「ふぅん」


この発言は順にエイス、ザフィール、クロウ、レオンのものだ。



クイクイッ


左から服を引っ張られる感覚を受けそっちを向くと、これまで特に発言しなかったヘレンが俺に疑問の目を向けている。


「この荷物の少なさについて、貴方の意図を聞きたいわね」


拒否を許さない強い口調で彼女は詰問してくる。


「貴方は今回ギルドで依頼を受けてから、店でアイテムの補充をするでもなく出発したわ」


そこから見てたのかよ・・・


「ゴブリンの住処の森自体は近場だけどかなりの広さがある。それなのに貴方は一直線にゴブリンの巣まで進んだわ、まるで居場所を知っているかのようにね」


うわー、イヤな予感しかしない・・・


「貴方は今そこにある剣だけでゴブリンを倒したけど、それにしては返り血を浴びていない。そのままギルドに報告しているしね」


彼女は何が聞きたいんだ?


「貴方は依頼を受けた時点で、今日中に終わらせることが可能と判断していたの?」


「・・・ああ」


ここは誤魔化さない方がいいだろう、それに彼女は確信してるみたいだし。


「これまで受けた依頼も同じかい?」


そう聞いてきたレオンに対しても肯定しておく。


ああ、これからは皆さんからのハイパー尋問タイムなんですね、諦めます。


「ゴブリンの位置を予め知ってたのか?」


これについては俺の手の内を晒すからあまり言いたくないが・・・


「それは森に入ってから調べた、詳しくは秘密ってことで」


「・・・広範囲の探索が可能、と」


ですよねー。


「返り血を浴びてないことについては?」


コイツら、根掘り葉掘り聞き尽くす気か!


「特に無いな、現状が全てだ」


バカめ、正直に全て答えるとでも思ったか!


「質問はこれくらいでいいか?」


暗にこれ以上答える気は無いことを伝える。


「最後に一つだけ聞きたい・・・この質問には嘘をつかないで、お願い」


ヘレンが真剣な眼差しで俺を見つめている。


「いいぞ。それにこれまでも嘘なんかついてないしな」


俺は彼女にそう答えてしまった、自分の首を絞めると知らずに・・・






「貴方は『来訪者』?」






・・・・・・この女、最大級の爆弾を投下しやがった!!


ちょっと書き方を変えてみました。

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