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第2話 食事への誘い

シンです。王都に来てからずっと、ソロ活動という名のぼっち生活を送っています。ギルドを出て拠点に戻りたい、そんな俺の目の前には冒険者っぽい人たちが立ち塞がっている。ギルドの出入り口の前とか勘弁してくれよ。何が起きるのかと、ギルドの職員のみならず周囲の冒険者もこっちに注目してるじゃねーか。俺が何をしたっていうんだ!


傍迷惑な5人の内の1人、リーダーらしきイケメンが俺に歩み寄り声を掛けてくる。


「キミが1人でゴブリンの集団討伐の依頼を達成したという、Dランクのシン君だね?」


コイツ、俺が報告したばかりの依頼のことを知っている?

謎のイケメン君のその言葉を聞き、怪しんでいる俺を放置して反応したのは周りで聞き耳を立てていた他の冒険者達だ。


「Dランクでゴブリンの集団討伐だってさ」

「しかもソロでだとよ」

「なん・・・だと・・・?」

「アイツってつい最近ここに来たっていう奴か」

「俺たちが思ってたより、実力がありそうだな」

「でもアイツの戦闘スタイルとか知ってる奴っているか?」

「俺は知らん」

「俺もだ」

「同じく」

「ここに来たばかりだしそんなもんだろ」

「っていうか話し掛けたのってBランクチームの『銀翼』だろ!?」

「そんな奴らがDランクに何のようだってんだ?」

「・・・勧誘とか?」

「ねーよ、と言いたいが恐らく誰もあの小僧が戦ってる姿を見たことないんだよな」

「けどアイツってここに来てから毎日依頼受けてたみたいなんだよね」

「なん・・・だと・・・?」

「どうせ簡単な下位ランクの依頼とかだろ?」

「いやそれが、ずっとソロで適正ランクの依頼なんだとよ」

「マジかよ」

「にしては疲労とかは無さそうだな」

「余力たっぷりってか?」

「実はDランクだけど、この中の誰よりも強いとかってパターンは・・・!」

「それはねーよ」

「それは無いな」

「ダメだコイツ、早く何とかしないと」

「まさかのフルボッコ!?」


小声でああだこうだと話をしている彼らの会話の全容を知る術は今の俺には無い。だがそんなことを気にすることができない程に、俺は自分の背中に流れる冷や汗を止められずにいた。



もうやめて、俺のライフポイントは0よ!



Dランクの冒険者が同ランクの依頼を達成した程度で過剰な注目を浴びてしまっている今の状況を何とかしたいが、悲しいかなネームバリューもなく親しい知り合いも居ない俺は現状ではどう仕様もないほど無力である。


「キミはどうして自分がこんなに注目を浴びているのか、わからないようだね」


イケメン君が再び話し始める。コイツはバカか!この注目の半分以上はお前が俺に声を掛けたからだろうが!!


「納得いかない顔だね・・・。説明がてら僕らと一緒に夕飯でも食べない、ご馳走するからさ?」


勿論誰にも聞かれない場所でね、と小声で付け足す。コイツのこの誘いは、提案という名の強制だ。誘いを断ればコイツがここで何を口走るか予想できん、だが俺の現状をより悪化させることしか喋らないことは確かだ。このイケメン腹黒だな、無駄に敵が多そうだ。現状、俺もその敵候補なんだけどねー。


小さくだが頷いた俺を確認し、騒がしくなっているギルドを背に『銀翼』+俺は通りを歩き始めた。









あれ、俺って何も喋って無い・・・。

遅筆で申し訳ないです

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