第1話 プロローグ的な物
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遙か昔、人同士の戦争が終わらない時代に魔王が出現した。
魔王はその強大な闇の力を用いて配下の魔物を凶暴化させ、世界の各地へと送り込んだ。
各国は自国の防衛の為に争いを止め、同盟を結び魔王討伐軍を結成したが魔王を倒すことはできなかった。
魔物による蹂躙を打破するために、ある国の魔術師が異世界から勇者を召喚した。
勇者はその身に宿した光の力で各地の魔物を撃破し続け、魔王のいる城までたどり着いた。
勇者と魔王の激闘は数日にも及び、共に大きな傷を負いながらも軍配は勇者に上がった。
魔王が消えたことで各地の魔物は力が弱まった。結果、同盟軍は勢いを増し魔物からの都市の防衛を辛うじて達成した。
魔王討伐後、勇者は魔物襲撃後放棄された土地に建国することを表明した。
勇者を慕う多くの賛同者を得ながら建国されたその国の名は『グランディア』、後の冒険者ギルドの雛型を作り世界一の大国になる国の誕生である。
・・・・・・グランディア歴史書より抜粋・・・・・・
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俺は今朝受けた依頼を終わらせ、冒険者ギルドへ報告に向かっている。
俺の名前はシン、ファミリーネームは無し。年齢は永遠の20歳、冒険者として活動していて自由気ままに依頼を受けて生活を送っている。ちなみに現在の俺のランクはDだ。
冒険者のランクは最下級のHから始まり、最高のSSまでの10段階で評価される。一般的にBランクで一流と見なされ、Aランク以上の者は功績の評価次第で国家から採用されたりするらしい。正直、俺から言わせてもらえば国家に所属とか願い下げだけどな!
なんだかんだ考えてるとギルドに到着したわけで。受付のお嬢ちゃんに報告するため、ギルドカードを提示する。このギルドカード、中々に高性能な物で依頼に対応したモンスターを登録者が倒すと記録するのだ。冒険者ギルド関連の無駄にハイスペックな各種機能は神様が手を貸してくれているらしい。よくわからんが、大した奴だ。
「ゴブリン20匹討伐の依頼について報告に来ましたよっと」
「はい、ギルドカードの提示を確認しました。こちらがシン様の報酬です、確認して下さい」
報酬を確認し、問題が無い事を伝え懐にしまう。
今日はこれ以上ギルドでやることは無いし『拠点』にでも戻るかな。
ここ王都『グランディール』に来て10日程度の上、依頼はソロでこなしている俺には当然仲間や友人なんていないのだ。
・・・・・・寂しくなんかないぞ?
がんばります
追記:指摘された部分を訂正しました