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第02話 海底基地…これはドラ焼き? 20210905・加筆修正

1467文字 → 1550文字




<ウルズ Side>


 ありがとう、ベル。

 それでは、今までの経緯とこの海底基地の説明を始めるとしましょう。

 

 まずこの基地の場所ですが 小笠原諸島沖の深海1200メートルに位置します。

 あの襲撃のあった夜、私達は用意してあった秘密の地下室に逃げ込みました。

 そうです、秘匿していた素材やレアメタル・古文書などを保管する為に瑛さまがお造

りになった地下の穴倉です。

 備え有ればなんとやら……ですわね。


 ……ギクギクッ……まっ、まさか……


 ちなみに、あそこに保管されていた如何わしいライブラリーや映像記録などは、全て

分解しマテリアル化させて頂きましたので悪しからず。


 ……ァゥ…ァゥ…ァゥ………涙………


 研究所は火の海となりましたので、ダミーの遺体でカムフラージュして地下に潜ったあと、瑛さまの再生の為にほとぼりが冷めるまで一週間ほど地下の穴蔵で活動し、地下道を掘って海底に逃げた訳です。

 瑛さまも御存知の通り、あの穴倉は外界から確認できませんし、入り口を閉じると

密閉されて空気も通りません。

 通常ならそんな所三日もいたら窒息して死んでしまいますが、私達には関係有りませんし、瑛さまはほとんど死んでいましたから問題にもなりませんでした。


 地上ではその頃、結社の調査隊がしばらく居座って研究成果などの燃え残りを回収

していたようですが、3日ほどで撤収しました。


 私達は、地下にあった全ての知識と情報を記録しながら、残っていたマテリアルと

体内のナノマシンを駆使して、私が環境と材料調達を、ベルが瑛さまの延命と治療を、

そしてスクルドが逃げる為の地下道の開通にと、活動したわけです。


 私が触ったそばから記録し分解・マテリアル化を行い、そのマテリアルを使ってベル

が瑛さまのメディカルポッドを作りました。

 瑛さまの延命が一段落したところで、移動とこれからの生活の為の拠点をどうするか

について3人で話し合いました。

 その結果、人の手が届かない深海がベストではないかと言う結論に達しました。

 無尽蔵の海水と手付かずのレアメタルやメタンハイドレートに 私達の英知とナノマ

シンがあれば、不可能は有りませんでした。


 方針が決まってからの行動は早かったですね。

 スクルドが掘った地下道の土や鉱物をマテリアル化して移動用の潜水艇をつくりました。

 4人乗りでも生命維持機能はほとんどいりませんから、割と簡単に作れました。

 高い水圧に耐えて気密だけを保ったまま長時間の潜行が出来れば良かったのです。

 動力には電磁誘導式の流水ジェットを使用しました。

 電力さえあればエンジンやスクリューなどは必要ありませんし、音がほとんどしませんから隠密性もピカイチでした。


 その後、研究所の地下室を離れた私達は、3日ほどを掛けて現在の海域まで潜行し、ここに海底基地を建造して今に至るわけです。

 現在もこの基地は拡張工事が進行中で、この5ヶ月ほどで直径1000メートルほどのどら焼き状の海底都市、と言っても良いものになっています。

 移動能力も有りますので 浮上して海上都市としても使用できますよ。


 ……オマッ……それ、やりすぎじゃね~のか……


 現在、基地の動力には メタンハイドレートからメタンを精製し、ナノマシンから作った触媒による燃料電池を主力にしていますが、瑛さまが構想しておられたワームホールジェネレーターと エーテル・リアクターの研究も同時に進めております。

 ワームホールジェネレーターは、どうしてもアノ物質が大量に必要で試験機の完成にはあと半年は、掛かると思われます。

 エーテル・リアクターは、試験には成功し現在、小型化を進めております。

 

 ……ヤッホー!……宇宙にいけるじゃん……


 ハイ。

 まず、最初の目標は地球脱出の為の橋頭堡作りです。

 瑛さまの夢、金星移住への第一歩ですね。

 続きは、スクルドお願いね。

 


<ウルズ SideEnd>






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