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第30話 アフリカ外遊6 20210911・加筆修正

2547文字 → 2586文字




 邪神アトゥは、BH砲によって《事象の地平》の彼方に封印された。

 結界を維持するため、多数の法術特化型ティンカーも一緒にである。

 BH砲による重力崩壊と、先のアトゥによるシールドブレイクで、シールドビットは予備も含めて全滅である。

 この損害は、経費として請求しても良いのだろうか?

 ま~値段なんか付けられないんだが……。

 色々と生中継で見せちまったので、世界中の至る所で豪い騒ぎになっている。

 単純にお祭りの所もあれば、各国の軍関係者、情報機関、軍需関係企業や死の商人など物騒な処は、蜂の巣を突付いたような状態らしい。

 俺に取っちゃあそんな事は、知ったこっちゃ無いので対外的な扱いは今まで通りである。

 あの3人組は、早い所取っ捕まえるか抹殺しないと、また何か遣らかしそうで不安であるが……。




 場末の酒場、薄暗いボックス席に奴らは居た。

 ここも、祭りのような騒ぎの影響で、みな良い気分で飲んでいる。

 一人を除いて上機嫌で酒盛りをしていた。


「まさか、キング・アトゥと殴り合いを始めるとは、流石の私も思わなかったよ。アハハハハッ、楽しいね~♪」


「いつの間にか、肉体派に転身していたのね~。前は頭がいいだけのもやしっ子だったのに、次はどんな意地悪しちゃおうかしら~♪」


「我が神の化身を殴るなど、なんと罰当たりな事を……。万死に値する行いだ~。呪い殺してくれるわ、エロイムエッサイム、エロイムエッサイム……」


 ……こいつら~……、誰か如何にかして!!!……




 ◆




 アフリカの砂漠化は、原因を取り除いたがここまで進行してしまうと、元に戻るまでには何万年かかるのか分からない。

 そんな訳で、緑化するための灌漑プラントを数ヵ所に設置した。

 太陽光発電パネルで発電し、海水をくみ上げ、砂漠に設置した蓄熱プラントでフラッシュ浄水を行い、一部を飲料水に、残りを砂漠に芝の種を付けた吸水材と共に散布している。

 海水から出た塩やミネラルは、安く販売し灌漑プラントの維持整備費に当てる。

 吸水材やプラントの資材、太陽光パネルなどは、砂漠の砂や岩石などからでっち上げた。

 インフラにほとんど金はかかって居ない訳だ。

 だが維持管理には、どうしても金がかかるのだ。

 なるべくメンテナンスフリーになる様に、単純構造で丈夫に造ったので、塩などの売り上げで十分やっていけるはずだ。

 但し、この施設は国際連合の管理として国や組織などの介入はすべて排除した。

 絶対出てくるんだよ、金儲けに使おうって馬鹿が……。


 そんな事を、多目的工作艦・エイルとティンカー達で行い、アフリカ中に恩の押し売りをしながら、色んな生物のDNAサンプルを採集して記録して回っていた。

 アフリカだけでも何種類の動植物が居るのか分からないが、現在の地球上の生物のDNAライブラリーは作成しておかなければならない。

 他の星に行った時、または地球が滅ぶような危機的状況など、今回の件みたいな時の保険である。

 それに、テラフォーミングなどに適した微生物なども見つかるかもしれない。


『地球は、奇跡の星である』とは、誰が言ったのか。


 一つの星に、これだけの生命が発生し共生している所は、宇宙広しと言えども珍しいはずだ。

 そうでなければ、旧支配者や旧神などが、これほどこの星にコダワる筈が無いのである。


 リーフが箱舟になるのは、何時ごろになるのか……。

 そんなに遠い未来の話ではない筈だよ。




 ◆




 プラント開発で海に来た……海に来た時は、当然泳ぐ。

 海を前にしたら泳ぐ、当たり前なのだよ諸君!。

 そして、目の前はパラダイスである。

 イヤ~~眼福、眼福♪。


 うちの女神たちは、おもいおもいの水着を着てハシャギ回り、ルイスさんも寛いでいる。

 何故か、和尚が日本に帰らずに、鼻の下を伸ばして一緒に居るのが気に入らないが、仕事の後のバカンスと言う事で、一緒にアフリカ外遊に参加していたりする。

 これも功徳か……。


 ロバートと連絡取ったときは、『なぜ祭りに呼んでくれなかったんだ、友達概の無い奴だ!』と怒鳴られた。


 俺達は、騒動も一段落ついたので、一度帰国する事にした。

 あっちこっちから招待の御誘いが激しいが、そちらはまたの機会にして、リーフに帰る事にしたのだ。

 ちなみにルイスさんも一緒で、序でに我が国の国土を視察していくそうだ。


『お帰りなさいませ、お父様。そして、今回はお疲れ様でした』


「ただいま、イリス。ホントに今回の外遊は疲れたよ。最後のバカンスが無かったらと思うとゲッソリだ」


「大活躍でしたからね。一躍、時の人ですよ」


「私以上の世界一の有名人に成っちゃったよね」


「大丈夫です、マスターはマスターです」


「そうだ紹介しておこう、イリス。国連大使のルイス・キャラウェイさんだ。丁重に持て成してくれ。それと、ルイスさんには、念の為にこれを渡しておこう、認証用のペンダントなので、これから案内する自室以外のリーフの中では、必ず身に付けて下さい。イリスは、この移動基地リーフの管理AIです。声を掛ければ何時でも何処でもサポートしてくれます」


 ルイスさんに個人認証用のペンダントを渡した。

 イリスがリーフの管理AIに成ってから、自動認証は要らなくなったんだが、念の為だ。


「さっきから聞こえていた声がイリスさんね。国連大使ルイス・キャラウェイです。よろしくお願いしますね」


『ようこそリーフへ。歓迎いたします、キャラウェイ大使。イリスと御呼び下さい』


「私も事も気軽に、ルイスで良いわ」


『分かりました。ミス・ルイス』


「ルイスさん、リーフの中を案内するよ~。まず貴女の部屋から行こうか」


「ええ、お願いしますね」


「ワシも御山に帰ろうかの。今回は、良い修行になった。また、誘ってくれい!」


「和尚、今回は助かった。またな」


『和尚様、少々お待ちください。日本政府より伝言が来ております』


「ほう、なんじゃなんじゃ?」


『皆さんの帰国を待って、今回の国連ミッションの凱旋パレードを行いたいので、御連絡をお願いしますとの事です。お父さま達にも、同パレードへの参加依頼が来ております』


「なんだって? やっとユックリ出来ると思ったのに……」


「ワハハハハ、有名人はつらいの~」


「しょうがね~な、一丁派手にやるか~」


 凱旋パレードは、日本と帝政ルシファーを揚げて行われた。

 ヘビーモスを改造し凱旋カーにして、ティンカーが光ながら飛び交い、派手で綺麗で華やかなパレードは、一週間掛けて日本中を練り歩いた。






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