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第16話 リハビリ散歩 20210905・加筆修正

2172文字 → 2340文字




 月食まであと3週間。


 現在の俺の肉体年齢は、およそ12歳ほどになっていた。


 昨日やっとベッドから出て、予定より少し早いがリハビリ開始となりました。

 ついでだからと実際に歩いてリーフの中を見て周っている。

 詳しい情報は把握しているので、初めての部屋や通路にも迷うこともないし、ブラブラと見て歩いていたんだが……これはちょっと広過ぎるんじゃネ~のよ?

 歩きから何時の間にかジョギングになって、やがてマラソンになってしまった。


 リーフは、直径1000メートル、厚さ200メートルの円盤状の移動基地である。

 最外周の二重隔壁内のワーキングロードを走り始めたんだけど、ここだけで30キロメートルほどあるんだよ……長いよ!!

 外縁から200メートルのドーナツ部分はファクトリーとなっており、工作・修理・改造および格納庫となっている。

 リーフの中心には、現在のメインジェネレーターである1メートルほどのEクリスタルが収まっている。

 1メートルって言うと小さいとお思いだろうが、通常時5%の稼動でリーフの全エネルギーを賄うことが出来る。

 戦闘稼動時でも50%ほどの余力が取られていると言うから驚きだ。

 当初、1時間しか連続で張れないとされていたシールドも今は改良され、常時展開可能となっている。

 今では斥力場発生装置の応用で、重力場フィールドも同時に張れるようになった。

 主砲のアブサードに、重力レンズを多重操作して使用した屈折射撃『ホーミングレーザー』なんてことも、やろうと思えば出来るようになった……チートだ~。


 リーフの階層は、10階層となっているが厚さが200メートルもあると天井もすごく高いし有り余るエネルギーで深海に居るとは思えないほど明るい。

 当然、開放感も半端なく高レベルでクリアランスが確保されている。

 実際に居住区の天井には、青空・太陽・雲に星座などが投影され、リアルタイムで昼と夜が演出されている事から閉鎖空間にいるようは感じない。



最外周 50メートル 兵装及び格納領域


外 縁 200メートル プラント、工作・修理・改造、格納庫 


内縁部 中心直径500メートル部分

 第十階層、兵装の格納領域

 第九階層、造船所、イービルディーの工房、スクルドの精錬所

 第八階層 居住区及びバイオプラント(公園)

 第七階層、集中情報指揮所、各種兵装の操縦・操作ブース

 第六階層、Eストーン・エネルギープラント、ウルズの魔窟

 第五階層、医療及びナノマシン関連、ベルの遊び場

 第四階層、居住区及び歓楽街

 第三階層、バイオプラント(牧場)と生鮮食料品の生産保存

 第二階層、パワープラント、斥力場発生装置など

 第一階層、兵装の格納領域



 実際に歩いてみた、そして感じた、広すぎだ!

 でも日常生活をするのには、少し無駄だと思えるくらい広くしないとストレスが溜まるだろうな~。

 そこは良いとして人が一人も居ないのがちょっと寂しい。

 牧場にも動物入れたいし……一段落したらクルーを集めようかな……。


 俺は、リーフの中を一回りして造船所に来ている。

 ……なんだこれ?……宇宙戦艦?……


「イービルディー、何だこれ?」


「ああ、それはスクルドのアネさんが造ってた奴だな。解体された試作エーテルリアクターの材料再利用してパワーユニット弄ってたんだが、その時の副産物で斥力場発生装置が出来たらしい……」


 マジか~?

 ……ここにもマッドが居た!……


「旦那~、知らない振りしといてやれよな。アネさんは『こんな事も在ろうかと!』をやりたいらしいからよ♪」


「オマッ、……わっ、分かったよ……はあ~」




 俺は今、検診とリハビリの為にベルのところに来ている。


「マスター、バイタル・身体機能ともに正常です。それでは、これから励起状態になって体を動かして見てください」


「うん、分かった」


 ウハッ、俺その物が光ってる感じだ。


「励起状態にはスムーズに移行出来ますね。その状態になると体内のナノマシンの活性が高くなりますので、リハビリの運動中ずっと使用する事をお勧めします。少しぐらい怪我をしても直ぐなおりますし、体感時間・情報量ともに高くなりますので、今のうちに慣れて置いてください。あとは体を動かしていけばさらに記録されている技能や魔法なども自然に使えるようになると思います」


「分かった。でもホントにチートだな」


「まだまだ序の口ですよ、マスター。……今夜から私たちが一緒に寝ますからね……アレやコレやソレなど覚えることが沢山ありますから、お楽しみに♪」


「っ! いぁ~、……そっちのリハビリはまだ先でいいから……」


 俺はその場を逃げ出した。

 ……早い!……俺、励起したままだった。

 ……本気出して走るとマッハ超えて瞬間移動のようになるらしい。

 ……チートだ~。

 



 次にウルズの処に来たんだが、ナニ造ってんのあんた?


「瑛様、御体の調子はいかがですか?。」


「ああっ、快調だよ。今ベルのとこに寄って来た。それでこれは何だ? 小型斥力場発生装置と収束の魔法陣と空間固定術式にポジトロン砲? ……っ!!! まさか重力崩壊(BH)砲か?」


「ハイ♪ お察しの通りブラックホール・キャノンです。マイクロブラックホールを精製、空間固定術式で一時的に砲弾としたものをポジトロン砲で撃ち出します」


「確かにこの方法なら……、でも本当にこれは撃てるのか?」


「理論上は可能です。ポジトロンは、物質の電子に反応はしますが術式や重力などの空間には直接反応しませんから対消滅は起こしません」


「うむっ」


「収束陣と空間固定術式に対象までの接触時間を組み込んで時限信管とします。対象に接触または、近接した時点で重力崩壊を開始する様にするわけです」


 ……ウルズはやっぱりマッドだ……でも面白そう♪……


「がんばれ、期待してるぞ……」


「ハイッ♪ がんばりますね」


 ……俺は、火に油を注いでしまったのだった……






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