第13話 それぞれの思惑 20210905・加筆修正
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……高野山……竜樹大師 （イェソド）……
あの若造、そのうち何かやらかすとは思っておったが、まさか結社を煙に巻いて何時の間にかあんなもん造っちまうとは思わなんだ。
だがまだまだだ、ちょいと爪が甘いのう。
あの化け物相手にするには、まだまだ仲間が足らん。
いま潰してしまうには惜しいしのう……。
だが、海の底では手が出せんが……どうにか繋ぎを取って見るかのう。
ヤツは本物の化け物じゃ……。
これまで通り折り合いを付けていく訳にはいかんのじゃろうか？
下手をしたら人類は、時をおかずに滅びるじゃろう……カギはあの若造かのう。
結界の要には硫黄島辺りが適当じゃから、ちぃ～と足を伸ばして会いに行ってみるのも良いかもしれんのう。
もう。セフィロトも先が無さそうじゃし、そろそろ潮時かのう～。
……ハリウッド……ジュリア・エリザベス （ティファレト）……
なんだか周りが焦臭くなってきたわよね。
直ぐに戦争でも始まりそうな雰囲気だし……やんなっちゃう。
まったく、学長の紹介でセフィロトのメンバーになったまでは良かったけど、いつの間にか幹部なんかに成ってるし……危ない気配がビシバシするんだけど、止めてよねホント。
東雲さんて変人だったけど気前が良くて二枚目半のキャラが楽しかったのにな～残念。
死んじゃったって言ってたのに……どうやって生き返ったんだろ？
神秘学者のオカルトマニアとしては、その辺に俄然興味有るな～。
でも、次の月食にあの座標っていったら、ルルイエよね、ルルイエ！。
絶対にクトルゥー絡みよね！
これは、研究者の端くれとしては頬っておけない、だけど絶対に危なそうだし～、イリスに言ってヴァーチャル参加にしようかしら～。
ちょっとワクワクが止まらない、ドキドキして来たわ～♪
……ペンタゴン……ゲイリー・サザーランド （コクマー）……
まったく、あの馬鹿は……、いつも私の神経を逆なでして苛立つ様な事ばかり起こしおって……。
合衆国の傘の陰に隠れて居るような、敗残国の奴に何が出来ると言うのだ。
負け犬は、我等の顔色を伺いながら命令だけ聞いていればいいのだ。
今度こそ塵も残さず跡形も無く消し去ってやるわ！
……インド洋上……レオン・ゴルトマン （ケテル）……
まったく、忌々しいことだ。
結社秘蔵のオリハルコンを持ち逃げなどしおって、ダアト様のお怒りのとばっちりが私にまで及んだら如何してくれよう……。
金に成りそうな物だけ造って大人しくしておれば、もう少し長生き出来ただろうに残念だ。
本当の現実が見えていない若造が、……夢ばかりでは腹は膨れんのだぞ。
精々足掻いてみることだ……。
……グァム米軍基地……シシリー・コール （マルクト）……
よくも私の顔に泥を塗ってくれたな、絶対に赦さん赦さんぞ～東雲！
次に会うときは、その喉笛を噛み千切ってくれるわ。
私を虚仮にした事を後悔させてやる。
私の機械化兵連隊の一千人にかかれば、お前が如何に天才であろうと路傍の石のように踏み砕いてやるまでよ。
ホドの技術とゲブラーの医術が生んだ私のサイボーグ兵の力を骨の髄まで味あわせてやるわ……待っておれよ。
……ヴァチカン……ユリウス９世 （ケセド）……
神よ迷える愚か者を救いたまえ。
愚かな野良犬どもを天に召して、馬鹿な子羊たちを我が元へ。
神に仇名す異教徒共には死を賜りたまえ。
この世は我と神だけの為に……。
……パリ……イネス・アリックス （ビナー）……
ウフ、ウフフフ、アハァ、アハハハ～♪
楽しみだわ～、ベトナム戦争の終息からこっち刺激的な事があんまり無くて退屈だったのよ。
最近の戦いは近代戦争だとかいって硝煙の匂いはしても昔みたいに血生臭い阿鼻叫喚の地獄絵図なんて見られないし、紂王みたいな良い男も居ないし……ホント退屈だったのよ……楽しみだわ～♪
国が滅びるくらいの祭りを始めようじゃない、ネエ～東雲♪
……南アフリカ……スティーブ・キンスキー （ゲブラー）……
どこかに私の退屈しのぎになるような献体はいない物でしょうか。
ソロソロ人形いじりも飽きてきたし、黒ヒョウもあれだけのオモチャをあげたんですからもう少し有効に使ってもらわないと……。
でも、思ってもいませんでしたね～……。
アフリカに私が昔～し遊び半分でつくった獣人の子孫がまだ生き残っていようとわ……本当に人類とはしぶとくて生き汚いね～。
……？？？……ダアト……
さあ、踊れ踊れ♪
現し世の混沌が深まれば封印が緩み、かつての様に……ファハハハ♪。
