のんどの奥に
のんどの奥に、海岸を飼い
刹那のように、ブルのように、あのとびきりの悲劇に似て
ひどく、弱く、道沿いを走って行く。
彼は名をテーパーポールと云い
麗らかに生きるあの
散切り頭のあの青年の如く、
牛を追い、実りを追い、親猿を追い、クリスチャンを追い、
時に無為無聊で、感嘆なキミの天を覆い、
その眼の前をいやに真っ暗な光で囲い尽くしたかと思うと、
また善き者を追って走って行き、
ふたたびは現れる、
宇宙を含有するフラクタル構造となる
寸詰まる歴史の最新式に、
///笑う
悲しみの▽悲しみの証明
彼は名をテーパーポールと云い
――腫らせませ!異能のあつまる細胞集団のまなこよ!
うべなった心情のままに口を蠢かせ、
浜名バイパスを走って行け!
それも一人の車内でだ
これが似合わない者は、
雁首を揃えて謝罪しろ!
名付け親には産まれてきてスイマセンと言え!
著しく優しい道義に産まれ、
攫った悪の取り分だけ、泣きながら乞い謝罪しろ!
そうして、あの仄かな灯りに手を翳しでもせよ
オマエは本当に役立たずの交番電流なんだ
軌道にのっかってしまえば、
笑えど、叫べど
走って行くことしか出来ない
さて、その様にスグったマイナスイオンの心が幾多の謝罪を追い、
無聊な過去を乗越えていかに大変に此処までやってきたことか
オマエほどに優しい人を私は知らない!
訃音に打たれて笑っちまうかして、
恋のみのって泣き狂うも、
早速のところはあんたの良心の表面ッ的のところだ
夜毎に恨んだ相手を眼の前で轢殺された時にさえ、
狼狽えたオマエは優しい!
私にとってのオマエのその愛しさが憎いという、
なんという我儘な倦怠からその憎き、
憎さへスーベニアよ!
セフィロトの胸が厳かでも、
太陰に咬み切るかったーい空間の子どもは蔓草を揺らして、
雲海を照らす白んだ日光かして、
悪魔の心みた鈍むもう反面は、
この世で起きている事象の数々を観測可能にする
それをこの世の証左として受け容れ、これからをここで生きるのだ!
それならば、すがすがしく腫らして行け!