初気の女(ウイキのオンナ)
地球と月は離れていましょう
私が生きているうちは衝突もしないでしょう
しかしその女
私のために誓うと嘘を吐いて
天体はひとつであると云った
よすがとする私を受け入れて
あなめでたやとかこつけて
親しい人になりましょう
私の愛になりましょう
時には母に抱かれて
たまには叱る
都合のよい
愛しい人
痴夢の真っ白い原の上に
唾液と涙と血液を降ろしましょう
その憧憬を日毎に愛でて
人の起源を思い馳せましょう
地層はわかりやすかろう
なんとはなしに永くあり
いつの日も笑っていよう
いつの日も笑っていよう
“からだも佳く、声も佳く
時に匂いや性格も宜しい”
暑いと立てば涼しと座り
楽しと泣けば辛いと笑う
そんな人の扱いやすさに
今日の日も関心している
夢に空想の意味を見つけ
慈愛と別れ旅行に出かけ
広く街に神話を落として
北叟笑みで帰ってきたる
どんな時も楽しげでいる
たとえ私を除け者にして
独り田圃を歩く薄明にも
女の見えない頰笑があり
いみじくもその擦枯しは
ぼうぼうとした嘘を襲る
かつて愛しい思い出にも
唾液と涙と血液を降ろす
その憧憬を日毎に愛でて
唾液と涙と血液を降ろす
女よ
親しい人よ
私に嘘を吐く子よ
いつまでも笑っていよ
重たい命の根の下に咲き
無邪気の心を隠さずに生き
こんなに奇特な星の上にゆれ
人に得られる知見に恋愛をして
あさなあさなの日常にこだわらず
甲斐甲斐しくも 痛々しく調う詩と
肯う時に協立する貴方との事を忘れ、
そうしてかの嘘を私に告白するでもなく
いつまでも
親しい人