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第46話 ギャングの殲滅

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「うおおおおおお!!」


 まずは向かってきた男のナイフを下に避け、相手の懐に潜り込むようにして腰を掴み、思いっきり背負い投げる。窓に頭から突っ込んだ奴は、血を頭から流しながらも何とか立ち上がろうとしている。やっぱり、チンピラとは訳が違う。彼らは死に物狂いで、ギャングを守ろうと戦っている。


「ここで眠っとけ!」


 俺は奴の顔面を蹴り上げ、気絶させる。続いてすぐに別の男が向かってきた。俺は落ちていたガラスの破片を拾い上げ、それを奴の心臓めがけて投げる。


 グサッ!!


 見事命中し、男は血を噴き出しながら倒れた。喜んでいる暇はない、次から次へと敵がやってくる。


「俺たちのギャングライフを邪魔するな!」


 そうやって向かってきた男の腹に拳を入れ、また背後から攻撃してきた奴の拳を避けながら、下に倒れている男の胸からガラスの破片を抜き、それを背後に立っていた男の目に突き刺す。


 グサッ!!


「あわああああああああ!!」


 あまりの激痛に上手く言葉が話せなくなったのか、言葉になってない何かを話している。仲間たちが必死に破片を抜こうとするも、触れば目に激痛が走るため、何もできずにいた。


 グギッ


 突進してくる男の足を引っかけ、転ばせてから通路を塞ぐ。その隙に俺はナイフで、背後から向かってきた男の腹を刺す。


 グチャ!!


 肘で顔面を突き、歯を折り、膝を腹に突き込む。内臓をえぐるように拳を入れ、首をギュッと絞める。


 ギャングの精鋭と聞いていたのに、コイツらはこんなにも弱いのか。ラーズは俺を陥れるために、ギャングに抗争させたんだろ、なのにどうしようもないほどに弱いのなら、話にならない。


「……あ、やめろ」


 くそ、暴れても暴れても体が満たされねえ。返り血で全身が血だらけになっても、いくら拳が傷んでも、ずっと満たされない。どうしたんだ、俺の体は、いつからおかしくなったんだ。


「……あ、たすけてくれ」


 唯一の気絶していない男の肩からナイフを抜き、そのナイフを首に添えて、俺はあることを聞く。


「お前は、どこのギャングで、どうしてここに来た」


「お、オランドだ、他のギャングに戦争を仕掛けられたと聞いて、勝負のために向かってたら『ダークエイジが来た』と聞いて、その、ダークエイジを殺すために団結した」


「そうか、俺もお前も嵌められた。面倒だな」


 結局、コイツらもまたラーズ・フェイスに利用されていた。さっき鉄砲で撃たれた男も、マルゲリタのメンバーであったはずなのに、ラーズによって消された。狂ってやがる、最悪な存在だ。


「お前らにはここで寝ててもらう。二度と悪巧みなんかするな」


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『ダークエイジ、またもやギャング殲滅か』


『森を抜けた先にあるカグラ村にて、ギャングの抗争が発生。逮捕されたのはいずれもギャングのリーダーで、ダークエイジの関与が見られる』


「……これはまた、派手に暴れたな」


 数日後、あの村で起きたことがニュースとして世の中に出た。久々に3人で集まったのだがやっぱりこの話題になった。ボルトはハードの書いた新聞を読みながら、ニヤリと笑う。


「おかげでこの都市に潜伏していたギャングの多くは壊滅状態にある。治安の向上も夢ではないだろう」


「そうか、それは何よりだ」


 ギャングが壊滅してからというものの、街に強盗団がほぼ現れなくなった。現れたとしてもそれは単独犯で、間違いなく治安は良くなっている。問題は、治安部隊の介入だ。奴らが今どこでどうしているかは分からない。


「そこで、俺は多大なる功績を表彰するために、中央部に行かなければならない。しばらくはこの街を頼んだぞ」


 そうだった、俺は警察組織ではないから強盗団やギャングらの後始末をモンタージュの人々に任せている。特にボルトは仲間だから、そういう後始末は全て彼に押し付けている。


 その結果、彼は街で最も多くの悪人を逮捕した者として、マーベラスの中央部で表彰されることとなった。昇格も検討されるのだろう、だから彼は1ヶ月くらい街を離れる。


「ああ、後始末は誰かに押し付ける」


「僕はこの街にいます、しかし治安部隊が本気を出せばすぐに居場所はバレてしまいます。なるべく、中央部でも情報収集をお願いします」


「ああ分かってる。俺も遊びで向こうに行くわけじゃねえんだ。しっかりとやることやって、情報も集めてくるさ」


 こうして、ボルトは街から去りマーベラスの中央部へと向かった。まあ、特に何も変わらない。後始末がちょっと面倒になっただけだ、ハードと共に、これからも頑張っていこう。


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「で、進捗はどうなっている?」


「ダークエイジの後始末を担当していると思われる男を中央部に呼び寄せました。すぐに計画を始めます」


 絵画に囲まれた部屋で、少女はある男に問いかける。男は体を震わせながらも、冷静に答えた。


「そうか、ところで”例の石”は見つかったか?」


「……まだ、調査団が行方不明になったため、次の調査団を送るかどうか検討中です」


「何をしている、モンスター大戦を起こすのだろう。こんなに手間取っていていいのか」


「……申し訳ございません」


「……もういい、石の捜索はお前に任せる。だからカービージャンクのネズミは私に任せろ。そうだ、お前の部下を借りることにするよ。ウォーリアーズも、今や活動休止中だろう?」


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