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蒼眸  作者: 家屋敷
1/7

翔太と精次

ジリジリジリジリとセミの声がやかましい。太陽も、激しく照り付けている。夏真っ盛りのある日のことだった。

「ただいまー!」

「ただいまぁ!」

幼い元気な声が2つ、玄関に鳴り響いた。二人の兄弟が、遊びから帰ってきたらしい。

「あらあら。2人ともおかえり。セミ取れたの?」

そう、お母さんらしき女性が二人に声をかける。

「うん!お母さん、あのね、僕のほうが一杯取れたんだよ!」

「何言ってんだい!お兄ちゃんよりも、僕のほうが大きいのが取れたじゃないか!お母さん、見てよ!」

2人の名前は、兄を山中翔太、弟を精次と言った。2人は、時には喧嘩しつつも仲が良く、いつも一緒にいた。

「じゃ、お母さん!僕たち、おじいちゃんのところに行ってくるね!」

「5時半までには帰ってくるのよ」

「うん!わかった!精次、行くよ!」

そういって、二人の子供は、連れ立って離れの祖父母の家に駆けていった。


コロナウイルスという、未曽有の病が世界中を襲う時代、とある田舎に山中祐司、京子という夫婦がいた。山中家には双子の男児が生まれた。翔太、慶次と名付けられた双子は、すくすくと大きくなり、小学生3年生になった。二人は、わんぱくではあったが聞き分けの良い、仲の良い兄弟に育っていた。そんな二人は、野原でかけっこ競争をしたり、川で魚を掬ったりして遊んでいた。そんな二人であったが、離れに住む祖父の話を聞くことも大好きで、祖父にあたる源次郎は、二人に昔話をよく聞かせてやっていたものだ。


「おじいちゃん、いるー?」

大きな声で、翔太は源次郎を呼んだ。奥から姿を現した源次郎は、ニコニコと二人を出迎えた。

「おや、いらっしゃい。スイカが冷やしてあるぞ。食べるか?」

「うん!食べる!」「僕も!」二人は口々に言った。

昔に比べると、スイカも小ぶりのものが増えているが、源次郎は自分で小さな畑を耕しており、大きなスイカも採れる。二人はスイカが大好きであり、それを目当てにもしていた。まん丸の大きなスイカを切り分けて、二人は本当においしそうにかぶりついた。食べ終わった二人は、両手を合わせてきちんと、ごちそうさまでした、と声を合わせてつぶやいた。

「おいしかったかい?」

「うん、おいしかったよ!」精次がそう答えた。

「おじいちゃん、今日も話を聞かせて!」翔太がせがんだ。

「僕も聞きたい!」精次も負けじという。

源次郎は少し困った表情で、

「わしの知っている話はもうほとんど話したんだがな」と答えた。

えーっ、と二人同時に口をとがらせている。しばらく考え込んでいた源次郎は、ふと顔を上げて、そうだ、と何かを思い出したようである。

「それなら、山中家のご先祖様のお話をしようか。」

「うん!聞きたい!」

見事に二人の声があっている。

それを見て、ハハハと笑った源次郎は、少し上を向き、やがて話し出した。

「ご先祖様に、相川佐兵衛経国という、それはそれは立派なお侍様がいたんだよ。佐兵衛様は、主君であるお姫様と結婚したんだ。」

翔太と慶次は、二人とも目を輝かせて聞き耳を立てた。



この小説は書きかけです。ボチボチと書き足しますので、気長にお待ちください。

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