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【頭突き】

 1d100→42

【ダメージ】

 3d4→5


 カラカラ、と頭の中に音が響く。

 それはまるで賭博場で聞く、サイコロを器の中で転がした時のような音だ。

 拳闘士になってカミサマに祈る習慣を付けてからはや数年、最近耳にするこの音はアタシにとっての福音で、狂音だ。


「ごぇぷっ」


 眼の前の男が私の頭突きをモロに食らって鼻血を吹き出した。

 今日は特注の兜も付けていないし、かち割り(頭突きの)シーラでも、一撃とは言わなかったらしい。

 とはいえ、殺さなかったのは僥倖だ。


「で、アンタも相当鍛えてたみたいだけど、力でアタシをどうこうするつもりなら、同じく力で対抗されても文句は言わねぇよなぁ?」


【説得】

 1d100→44


 これでビビって引いてくんねぇかなと思って凄んでみたら……説得しようと思った時に音がしたら、まず成功しないから嫌なんだけどナァ。


「うるせぇ! 女にやられて引けっかよ!」


 おっとテレフォンパンチ。

 とはいえ過信は禁物だ。当たらないと思ってた軌道で当たるなんてことが稀にあるからな。

 しかもそういう時に当たるとすんげぇ痛いんだ。


【回避】

 1d100→13


 それでもまぁわかりやすいし、ヒョイと気楽に避けて、そのまま手加減の気持ちを込めて頭突きを敢行。


【頭突き(手加減)】

 1d100→1 Critical!!

【ダメージ】

 4d4→8

【成長】

 1d3→1


 フッと目の前にいる男の動きが鈍く見え始めた。

 感覚もいいネ……パンチがスカったのに合わせて顎を掠めさせるようにして頭突き。

 そのまま男はパンチの勢いのまま倒れ込んで試合終了、ってな。

 それにしても、手加減しなかったらコイツ死んでたっぽいな。あぶねー。


「すんげ、あれが本物の〈かち割り〉かよ……」

「今の見たか? あっさりバズのパンチを避けやがった挙げ句、カウンターで頭突きしやがった」

「嘘、今の頭突き!?」

「きゃー! シーラ様ー!」


 おっといけねぇ。今日は喧嘩をしにきたんじゃねぇっての。


「騒がせちまったなぁ! マスター、今いる客分はアタシが金出すよ!」

「あん? んなもんそこで伸びてる酔っ払いから徴収するっての。それ以外なら受け取るぞ」

「あらま、それで良いのかい?」

「なーに、かち割りシーラの生試合をタダで見物だろ? イイんだよ」


 ナァ皆!? ってマスターの声に湧き上がる歓声と野次。

 いやイイねぇ。酒場に飲みに来てこの歓声、気持ちがイイ。

 けど言ったモンは引っ込ませるつもりはねぇから金は半分出しといた。

 ちなみに喧嘩売ってきたバカは衛兵に突き出された挙げ句財布の中身差っ引かれて、そのまま職場の親方へ……っておいおい、ありゃダイバクの親方んとこかよ。

 土方で親方の真ん前でこの失態、しかも服屋のオバちゃんズまでいたのかよ。終わったなアイツ。


【幸運】

 1d100→48


 んぁ、今度はなんだ?


「シーラァ?」

「……ォゥ」


 ゾワッとする低い声がする。

 嫌な予感はするけど、これで振り向かないと絶対もっと嫌な目に会うぞコレ。

 ゆっくり振り向いて見ると、予想通りの人が酒場の入口に立っていた。


「飲みに行くって聞いてたから張ってたんだけどヨォ……なーに騒ぎ起こしてんだこのバカ娘が、アァン?」

「ウゲェ……オーナー……」

「おやアルフさん! 珍しいね!」

「お前んとこのシーラちゃんすげぇよなぁ! 酔っ払いなんて目じゃなかったぞ」

「ああ、ちょっと騒ぎを聞きつけてね。お褒めいただきありがとう。バカ娘が迷惑かけた」


 青筋立ててこっちを見てるのは、父親代わりで師匠で、そんでもってアタシの拳闘士としてのオーナーであるアルフだ。

 他の客や店長にはにこやかに対応してるけど、アタシにはわかる。

 これ、怒鳴りたいのを超我慢してるやつだ……。


「さて……愛しの愛しのシーラヨォ」

「ぴゃい!」

「テメェ、俺が今日言ってたこと、忘れたわけじゃあネェだろうな?」


【アイデア】

1d100→67


「えっと、その、ハメ外すな、ってのは……」

「オウ、そうだなぁ。で? 衛兵さんらが出張ることってのは、ハメ外してない、なんて言わないよなぁ?」

「イエス・サー!」

「まぁまぁアルフさん、今回はシーラじゃなくてバズのバカが喧嘩売ってやらかしたから、大目に見てやってくんねぇか?」


 こういう時は言い訳をしない。説得なんて試みてみろ、より悪化するには目に見えてる!

 そして完全にアタシが悪くない場合は助けてもらえるかもだし、実際そっちの方が穏便に済みやすい!!

 ほら、オーナーも溜息吐いてヤレヤレ、って首振ってる。


【幸運】

1d100→61


 え、なんでこのタイミングで?


「まぁ迷惑被ったアンタがそう言うなら……だがそれはそうとシーラ。オメェは帰ったら説教だ」

「なんで!?」

「心配かけたらまずはゴメンナサイだろこのバカチンが〜!!」

「ぎにゃー!?!?!?」


 クルミ割の刑に処されたアタシはそのままヘタりこんでオーナーに担がれた。

 そこで大笑いしてるお前、かち割りでもオーナーの拳にゃ勝てねぇか、なんて言ってるけど一片マジで食らってみろよ。

 オーナーこれでドラゴン寝かしつけてっからな? 死ぬぞ?

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