イマシメ
「何処だ!無事なのか!」
あの謎の爆発から10分、未だ見つからない。
しかし、何故、誰が…あれが火薬の威力なのか…?
ーーッ!
少し離れたところで、弟子たちの焼死体が見つかった。
「あ"あ"あ"あ"あああああああああああああっ!
うわ"あ"あああああああああああああああ!
いやだああああああああああああああああ!」
現実は、受け止められなかった。
余りにも、それは残酷で。
★★★
それから、斎場へ向かった。
「…済まないことをした、どうすれば許してもらえる
か。」
その時、なんの前触れも無く、背後に悍ましいものを感じた。
「何者だ。…なんだ?貴様。何者だ?」
正体は、全くもってわからない。
そこには、
黒く染まった、「ナニカ」がいた。
「誰だと言って、クッ」
悍ましい気が溢れて、吹き荒れた。
「ジュアアアアアアアアアアアアッ」
「ナニカ」は一哮し、こちらへ向かってきた。
ーー神閃居合、 壱ノ技
「煌閃!」
ズバッ!
ーーーーん?手応えが全くない。
「グワアアアアアアアアアアアアッ」
「ハアッ!」
手応えは無し。
どうすれば良い。
「ギェアアアアアアアアアアアアッ」
ズバァン!
「クッ」
防御も出来ない。今しがた刀を通り抜け、拙者を切った。
「ギェヤアッ!ヌ"ェイ!ヴェルアッ!」
「クッ!」
躱せば良いのか!
「フッ、ハッ」
しかし攻撃は入らない。このままではいずれ負けてしまう。
然し、立ち向かう必要がある!
「さあ、来い!」
ーーー…ん?
「来、い…?」
『時を止めているのですよ。義崇様。』
ーー!?
頭の中に響く様だ。
「誰だ、貴様。」
『んー、言うなれば…「観世」ですね。』
なに、然し、確かに刻は止まっている。信じるしかなかろう。
「もしや、本当にいたとは。貴様などと呼んで申し訳
無い。」
『いえいえ、とんでも御座いません。…本題に入って
も?』
「構わん。」
『貴方は今のままでは「禅捨」には勝て
ません。ですから…』
ん?
「ちょっと待ってくれ。「ゼンシャ」?なんだそれ
は。」
『貴方が今対峙して居るものです。」
なるほど、
「続けてくれ。」
『ええ、ですから私から一つ、贈り物をしようと、思
いまして。』
ほう…?
『その名も、「神蓮」。こちらです。』
その手には真っ白な、純白と形容できる蓮の花が載せられていた。
「それを、どうしろと?」
『食しなさい。貴方は力を手に入れることができま
す。おっと、もう時間の様です。食べれば力の情報
が入ってきますので、ご心配なさらず。早くお食べ
になってください。』
そして、それを口に含んだ。
「ーーおおっ」
力が湧いて出てきた。
『それではまた、どこかで。』
景色が、再び、時を刻み始めた。
「さて、いかがなものか。」