壊滅
久しぶりの投稿です。
そこには、驚愕の表情を浮かべた、立派な甲冑を着た男がいた。恐らく将軍、近江間裁であろう。
「貴様が、この軍の総帥か…?」
拙者はこの男を赦すつもりはない。
すると近江は徐に口を開いた。
「そう、だが…?ああ、君が北堂くんか?」
「ああ。」
近江はこちらを見据え、大きく息を吸った。
「ーーーかかれえ"えええい!!!必ず奴を殺せ!
いかなる手を使っても!いーーけえ"えええ!」
今にも眼球が飛び出そうな表情で、叫んだ。
何かしたか?
『オオーーー!』
全く、
「身を、弁えろ。」
「師匠、ここは私たちにお任せください。」
弟子たちの要望には応えなければな。
「自由にしろ。叩きのめせばそれで良い。」
「光栄です。」
近江に、向き直る。
「拙者が貴殿に、何かしたか?」
「お前の部下が、俺の可愛い部下をたくさん殺した。
それでも、そんなことが言えるか…?」
声が震えている。馬鹿は救い用がないな。全く。
「それはそちらも同じであろう?」
「う、うるさい、うるさいうるさい!!
死んでしまえぇーー!」
「誰に向かって言っている?」
近江の進撃が、止まる。
「確認するが、覚悟はあるんだな………?」
唾を飲む音が、聞こえる。
「拙者を敵に回すという、覚悟が。」
「あ、ああ。部下の仇と考えれば、戦国最強だと、
なんだろうと…!」
そう、だな。覚悟があると言うなら、
それなりの、ことを
それなりに、してやっても良いのではないか。
「その覚悟、受け取ろう。」
ーー神閃居合、壱ノ技
「ーー煌閃。」
刹那、光が地を這った。
鮮血が、舞う。
キンッ
納刀して、振り向く。
「…カ、ハアッ」
思わず、ため息が溢れる。
「終わり、か。」
「ま、てぇ"…!まだ、まだ終わってない…終わってな
い、のにぃ"…いつか、いつか、必ず…!」
そう言って、事切れた。
「残念だったな。もう少し、頭のキレるやつであれ
ば、もう少し、長生きできたやもしれんな。」
「こっちも終わりました!」
涼しい顔で言った。
「この勝利は亡くなった我々の仲間のお陰だ。
感謝を忘れるナッ…⁉︎」
瞬間、
目の前が、白くなった。白しか見えなくなった。
音が、無くなった。否、大きすぎて聞き取れないのだ。
漸く、理解した。地が爆ぜた。
★★★
「ーーッ!はっ、拙者は。」
いや、弟子たちは、何処だ…!
神閃居合:義崇我流の流派。絶対唯一と噂され、誰にも真似はできなかった。
神閃居合、壱ノ技・煌閃:神速の抜刀術。この流派では一番単純とされる。並の人間の目には見ることさえ叶わず、多くの実力者が散った。