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本当の幸せ  作者: じん
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残酷

肌寒さがなくなりつつある3月上旬、僕はなぜか一人まだ薄暗い朝の浜辺で泣いていた。ボーとする頭で考えた、なんで自分がこんたところいいるのかを。

(3日前)… 3月1日

キーンコーンカーンコーン

いつものように少しキーの高い壊れかけのチャイムが校内に響きわたる。

「はい、席に着けー」と言う先生の声とともにクラスは静かになりぞろぞろと自分の席に戻り始めていく。

「えーと、今日は卒業式の準備とリハーサルを行います!」

するとまた、クラス内がざわつき始めた。

「えーだりー。」

「準備ぐらい1、2年がしろよ」と笑いながら言うやつもちらほらいた。

「はいはい、静かに!質問がある人は挙手して下さい。…

では、9時までに体育館に行くように!」

ぞろぞろと体育館に向かっていく。ズボンの裾に着いたくっつきぼうのように僕は後をついて行く。僕はクラスの中で中の下の辺りに存在する静かで大人しい、いわゆる陰キャ的なキャラである。周りからは、水栄すいえい言われている。水野弥生みずのやよいの漢字をとって、水栄とよんでるらしい。部活で水泳をしているわけでもなく、授業が終わったら小走りで下校する帰宅部だ。こんな僕なんだが少しいや大分、心を寄せている女の子がいるのだ。彼女の名前は笹木叶ささきかな陸上部の女子部長をやっていて、全国大会に出場するほどの実力者だ。僕は彼女に思いを伝えれずにいた。だから僕は決心した。

「卒業式に思いをつたえよう!。」

(2日前)…3月2日

今日は僕達3年にとって最後の学校の日だ。いつもより早い時間にクラスに集まったクラスメイト、式が始まる前から落ち着かない様子がチラホラ見てわかる。黒板に「卒業式おめでとう!」とカラフルな色で書かれていたその周りには、花や落書きが沢山あって個人の名前を黒板にを囲うように書いてあった。僕が教室に入るとクラスの女子から「黒板に名前書いて」としつこく言われたので仕方がなく薄い黄色の目立たない色で端っこに書いた。そのまま流れるように席に着くと、ピシッとスーツ姿よ先生か教室に入ってきて「みんな調子はどうかねー?」と、少しいつもよりテンションの高い感じで言った。するとみんな何も言わずに席に着いてクラスの1人が「最高ですよ」というと周りの人達もオウム返しをするように同じことを言う。

「はい、それでは体育館に入場するので廊下に出席番号順にならべー。」

いざ式が始まるとあっという間で、来賓や校長の長たらしい挨拶が終わり卒業証書を貰いに最後はみんなで歌を歌う。こんなどこの卒業式でもやるような在り来り式を終えたあと、各教室に戻り担任の先生からの話があった。「今から高校に行く人、就職する人全員に言いたい事があります。これからの長い人生で沢山の喜怒哀楽がありますどんな壁にぶつかっても全力で挑んで下さい。」そう名言ぽいことをいっていた。クラスの中からすすり泣く音も聞こえてきてあまり思い出のない中学生活を送った僕でさえ少しつられ泣きしそうだった。最後のホームルームが終わったあと各自写真を撮ったり仲良い人と思い出を語ったりしていた。この雰囲気に僕は悲しいって言う感情より、安心とかやっと終わったっていう感情の方が強かった。でも僕には、まだやるべきことが待っている。告白をするっていったってどうやって何を言えばいいのか、失敗したらどうしようと思っている自分に嫌気がさしながら僕は彼女を校門前でまっていた。彼女はすぐには来なかくて1時間ばかしで校門にあらわれた。僕は彼女に話があると言って、一緒にいた友達には帰ってもらった。何と言って告白したのか緊張しすぎて覚えていない、覚えているのは彼女の返答「考えさせて」の一言だった。その日はそれ以降話すことなく家に帰った。僕は気持ちが楽になりそのままベットに飛び込んで寝てしまった。

(1日前)…3月3日

いつも学校に行く時間に自然と目が覚めた。慣れと言うのは怖いなそんなことを思いながら俺は洗面台に向かった。顔を洗い歯磨きをした後コンタクトをつけリビングにノロノロと行った。「おはよう」とお母さんに言いながらついてあるテレビに目を向けた。僕はそのニュースに肝を冷した、(今日未明、〇〇県〇〇市、笹木叶(15歳)が交通事故に巻き込まれ重症、緊急で近くの病院に運ばれたが即死した。)僕は凍りついたように動かず頭の中に沢山のことがよぎった。お母さんに声をかけられビックとして、我にかえった。自然と涙が溢れていてどうしていいのか、分からないまま部屋へと戻った。


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