Episode7
「アスト!?大丈夫だった!?」
友達が話しかけてくるがアストは呆然としていた。
(あの子だ…)
確信を持っている。
運命的に出会った二人は運命的に再会した。
…最悪なカタチで。
「怪我は無さそうだね、アスト。…アスト?」
友達は固まった。
アストの青い瞳からボロボロと青い涙が溢れていたから。
泣いているのに気付かないのか、やはりアストは動かない。
親友ならこう言うだろう。
「何泣いてるの?気持ち悪いよ?」
そう言いつつ何だかんだ心配してくれる。
アストは涙を拭うと友達に向かって言った。
「"死神"は、私が捕まえる。」
あの時の約束を果たすため。
アストはそのまま窓から外を眺めた。
もう誰も居ない、もう何も残っていない。
友達はアストを引き連れて外に出た。
「…上官が待ってる、早く行こう。」
路地を抜けると上官がアスト達を見た。
分厚いコートを着ている。
「報告。」
「報告します、メアリー・ジョンソンの自宅二階にて"死神"、ツハラエル・ディケンズ、獣人族のレンに接触しました。内、死神、ツハラエルは窓から脱走、レンもそのまま姿を消しました。」
「ご苦労、もうほとんど上がっている。おまえ達もそろそろ帰っていいぞ。」
「ではお先に失礼します。」
「ああ、ご苦労様。」
二人揃ってびしりと敬礼をしてその場を立ち去る。
友達は最後まで心配していてくれたが大丈夫と言って帰った。
「お帰りなさい、遅かったじゃない。」
親友はホットミルクを飲みながらぐちぐち文句を言っていた。
アストはやっぱり起きてたか、と安堵する。
そして、先程の事を話そうと思った。
その前にコーヒー牛乳をいれて一口飲んだ。
「さっきさぁ…」