Episode 13.
「あ、貴方が"死神"さん?」
白い軍服の女がニコニコと笑いながら彼女に近付こうとする、
が、クラウンが彼女の前に立ち塞がり白い軍警は少し残念そうにしていた。
周りの組織の奴等は白い軍警をジロジロと見ていた。
「私に何の用ですか?」
彼女はクラウンの横に立ち問う。
やはりニコニコして白い軍警は答えた。
「2人きりで話せませんか?」
その言葉に組織の奴等が罵声を飛ばした。
しかし、笑顔は崩れない。
強い人だと彼女は思った。
「いいですよ、じゃあ私の部屋に。」
「龍巳、仕事は?」
「明日でも別にいいだろ、多分。」
曖昧な事を言って彼女は罵声をやめない同胞に一言、
「何かあったら私が何とかするから大丈夫だ。」
組織内でも群を抜いて強い、同胞達は渋々とだがそれぞれの仕事に戻る。
「……」
クラウンは苦笑を零す。
いつの間にかちぃが居なくなっている。
彼女は辺りを見回すが居ない。
(後で部屋に行ってみるか。)
白い軍警を私室へと案内する。
「龍巳、俺行くから、何があったら言えよ。」
「何も無い、呼ぶこともないから仕事しろ。」
私室へと入ると白い軍警は感嘆の声を上げた。
「本がいっぱい!」
無邪気な声に彼女はふっ、と笑う。
そういえばあの子もこんな性格だったなと思い珈琲を淹れる。
ミルクと砂糖を机に置き茶菓子を用意する。
白い軍警は椅子に座る。
コトリ、と目の前に珈琲が運ばれる。
「ありがとうございます。」
「用件は?」
彼女はマスクを外さず白い軍警に問う。
「私は世羅といいます。」
世羅は珈琲を一口飲み、また笑った。
(よく笑う人だ。)
ツハラエルは真顔になれず、気色悪い笑みをずっと浮かべているので例外と捉えている。
「"死神"さん、死んでくれません?」
(また面倒なのがきた…)
彼女は溜め息を吐いた。