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翌週、紅林さんに電話を掛けると、図面管理課に来たのは大島さん。
ちょっとがっかりな気持ちになる(大島さんごめんなさい)。
「大島さん、インフルエンザだったんですね。大変でしたねぇ。」
「マジ死ぬかと思ったよ。てか、何で知ってるの?」
「紅林作業長から聞きましたよ。大島さんの代わりに書類取りに来てくださったので。」
「まじで?作業長が?」
なぜかすごく驚く大島さん。
何かおかしなことを言ったかな?
「人に仕事振りまくる作業長が自ら来るとかありえないよ。」
「そうなんですか?」
「…もしかして早川さん、気に入られたんじゃない?」
「えっ!」
大島さんがニヤニヤするので、何だか恥ずかしくなってきて勝手に頬が熱くなる。