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大島がいつも以上にニコニコしながら図管から戻ってきた。

俺を見るなりニヤリとする。


「早川さんからもらったっす。」


そう言って、俺に見せびらかすようにして可愛くラッピングされた手作りっぽいお菓子を目の前でヒラヒラさせる。

「俺のは?」と聞けば、驚いた顔をされる。


「自分でもらってきてくださいよ。これは俺の。」


ささっと作業着の胸ポケットへしまう大島。

なんかむかつくな。

イラッとしたところ、更に煽ってくるヤツ。


「ところでクリスマス、早川さんとデートじゃないんすか?」


「お前には関係ないだろ?」


「ありますよ!俺は早川さんのファンっす。」


「はあ?」


「安心してください、奪うなんて恐れ多いことはしないです。ただ、早川さんにクリスマスの話題振ったら泣きそうな顔してたから。作業長、何したんすか?」


「…何もしてない。てか、何で俺のせいになるんだよ。バカなこと言ってないで仕事しろ。」


俺は大島の頭を軽く小突いて仕事に戻らせる。

これ以上コイツの話を聞いていると、なぜだかどんどん罪悪感が膨らんでいく。


だいたい、泣きそうってなんだよ。

心配になるだろ。

俺が何をしたっていうんだ。

それに、大島に手作りのものあげるとか。

俺にはないのかよ。


彼女のことになると冷静になんてなれない。

子供みたいな嫉妬心がどんどん生まれる。

いい歳したおっさんなのにな。

自分に呆れてしまうよ。

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