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*

唇が離れて、ようやく意識が返ってくる。


「…何で?」


漏れ出た言葉は紅林さんに聞こえたのかどうなのか。

好きな人からのキスなんて嬉しいはずなのに、何でこんなにも複雑な気持ちになるの。

私が固まったままでいるので、紅林さんはクスリと笑って言う。


「あんなに好きだ好きだと俺に主張してきたくせに、覚えてないなんてね。」


な、なんですと!

私ったらなんて大胆な!

ていうかそれすら覚えてないとか、もうどうしたらいいの。

とたんに恥ずかしくなって、熱を帯びてくる頬を両手で必死に覆う。

そんな私の頭に、紅林さんがポンっと優しく手を置いて、覗きこむようにして聞いた。


「大島が、君が泣いていたんじゃないかと言っていた。何かあった?」


あの時ごまかせたと思ったのに、大島さんったら気付いていたんだ。

それを紅林さんに報告するなんて。

もうっ本当に、大島さんも優しいんだから。

それより、そんな真剣な瞳で見つめられたら心臓が持ちません。

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