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この会社に入って今まで大して嫌な思いをしたことはなかった。

久しぶりに言われた“ぶりっ子”。

そんな気は更々ないのに、まだ私はそんな風に見えてしまうんだ。


そして、紅林さんのこと。


───あの人は私とやり直す気でいるもの

───クリスマスは必ず子供たちと過ごすから


総務部の小泉優香さんが、紅林さんの離婚した前の奥さんってことでいいんだよね?

前の奥さん、この会社にいたんだ。

そんなことさえ知らなかった。

すごく美人で知的な人だった。


やり直すって?

子供たちって?


その情報を認めたくなくて、私の頭は理解するという作業を止めている。

ここ数ヶ月、私と紅林さんは微妙な関係を続けている。

告白をして振られたと思った。

でも紅林さんは抱きしめてくれた。

たまにメッセージのやり取りもするし、お昼もよく一緒に食べるようになった。

たくさん、笑ってくれるようになった。

私、まだイケるんじゃないかって期待しちゃってた。

だけど、それは全部私のひとりよがりで。

真実はそういうことだよって突き付けられた気がした。


それは悲しくて悔しくて、でもどうすることもできなくて。

抗うことなんてできないし、ただただ私の胸をえぐっていく。

そしてじわりと目頭が熱くなった。

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