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今日も大島さんが先行書類を取りに来た。
入社してからずっと紅林さんの部下として働く大島さん。
私なんかよりよっぽど紅林さんのことを知っているんだろうな。
信頼関係もきちんと築けている。
大島さんにそれとなく聞いてみようか?
いやいや、何て聞けばいいの。
そんな探りを入れる的なこと、よくないよね。
でもなぁ。
「早川さん、百面相になってるんだけど。」
大島さんが私を見て不思議そうに笑う。
やばい、考えてることが顔に出てたかな。
私は慌てて愛想笑いを浮かべた。
大島さんはそれ以上気に留めることもなく、カウンターに身を乗り出してこそこそっと聞いてくる。
「そういや作業長とどう?上手くいった?」
「えっいやっそのっ、上手くいきたいと思ってます。」
大島さんのせいで、先日のことがぶわっとよみがえる。
やばい、動揺する。
落ち着いて、私。
「なんだよー進展なし?早川さんみたいなフワッとした人と合うと思うんだよねー。堅物だからさ、懐柔してやってよ。」
と、言われましても。
紅林さん、意外と堅物ではないんですよぅ。
どっちかっていうと懐柔されるのは私のような気がする。
勢いで告白して、結果抱きしめてもらったけど、OKの返事はもらっていない。
困らせただけだったかな。
泣いちゃったし。
はぁ、複雑。




