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結局、私の家より紅林さんの家の方が近いということで、半ば強制的に紅林さんの家へ連れて行かれた。

まさかの展開に私の頭は真っ白なまま、なされるがままだ。


バスを降りて少し歩いたところに、紅林さんが住んでいるというマンションがあった。

すごく綺麗でおしゃれで、エントランスには柔らかい光りの間接照明が付いている。


玄関を入ると広いリビングがあり、一人暮らしには贅沢すぎるほどの空間が広がっていた。


「服は乾燥機に入れた方がいい。とりあえずこれ着てて。大きいと思うけど。」


タオルと着替えのジャージを渡された私は、乾燥機を前に大きなため息をついた。


はぁぁぁぁぁ。

ちょっと落ち着こう。

ここは紅林さんの家で、大雨で濡れてしまったからご厚意で着替えさせてもらってて。


って何?

これってすごくない?

もしかしてボーナスステージまだ続いてるの?

ドキドキが止まらないんですけどぉ。


渡されたジャージに袖を通す。

ふわりと鼻をくすぐる洗剤の香りが、他人のものだということを実感させてくれる。

少しブカブカなところが、より一層その思いを強くさせた。

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