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そうこうしていると、大島さんが皆に話題を振る。


「みんな何の仕事してるの?」


「私たちはアパレル関係だよ。」


「どおりでおしゃれなわけだー。」


大島さんたちが納得する中、私も一緒にうんうんと首を縦に振る。

だって私の今日の服も、明日美がコーディネートしてくれたんだもの。

むしろ明日美にコーディネートしてもらわなかったら、私だけ浮いていたかもしれない。


「早川さんは図面管理課だよね?」


突然話題を振られ、皆の視線が私に向く。

当然、紅林さんも私を見るので、一気に緊張した。


「あ、そうです。図面とか紙媒体を扱ってます。」


「図管って環境いいよね。空調完璧じゃん。」


「俺ら現場仕事だからさ、空調あるけど作業場が広すぎてあんまり効かないんだよね。」


「そうなんですね。でも空調効きすぎで乾燥するし、手なんてガサガサになっちゃいますよ。ほら。」


図面管理課は主に紙を扱う部署で、そこで働く人間よりも紙の湿度管理が優先される。

湿気は大敵なので常に乾燥している上に、何千枚という書類を捌けばその分指の水分も取られるのでガサガサになってしまうのだ。


私が両手を前に出して見せるように広げると、明日美たち女性陣が口を揃えて「女子なのに可哀想!」と言う。


「あはは、仕事だから仕方ないよね。」


へらへら笑っていたら、紅林さんまでもがじっとこちらを見ていることに気付いた。

視線がぶつかると、心臓が跳ね上がる。

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