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女の子らしくすることで、自分の意思とは関係なしにちやほやされることが多くなった。

いいのか悪いのかよくわからない。

嫌われるよりはマシだと思うけど。


声をかけてもらえるのはありがたいけど、あまりグイグイ来られるのは苦手だ。

でも上手く断ることも苦手で、ついつい笑顔で対応してしまう。

顔が笑ってしまうのは、もうクセのようなものだ。

だけど相手にとったら、はっきり断らない私は期待を持たせているという風に取られるかもしれない。


今だってそう。

真知さんと宗田さん、お二人の同期だという小田さんと私で駅までの道程を歩いている。

小田さんは私にあれやこれやアプローチをしてくるけど、全然心惹かれない。

真知さんと宗田さんは二人でいい雰囲気だし、そんな二人に助けを求めるほど野暮ではない。

真知さんの気になる人ってもしかして宗田さんかな…とか思ったりして。

仕方なしに小田さんとお話しながら歩く。

小田さんのテンションは高いけど、私のテンションは内心だだ下がりだ。


桜は綺麗だしいろんな人とお話できて楽しかったけど、私の頭に浮かぶあの人。

紅林作業長。

紅林さんだったら、どんなお花見をするんだろう。

私服はどんなだろう。

お酒は飲めるのかな。


とか、考えてしまっている時点で、私は紅林さんを意識している。

好き、なのかな、たぶん。

気になって仕方がないんだ。

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