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始まり
3回目
何処を見回しても木々ばかり。
獣が出てきそうな大森林だが、その森の中央に一人立っていた。
「何処だここは…」
見たことのない景色を眺めながら少年は呟いた。
彼は裸同然な格好になっており、靴などは履いていない。足の裏は、かなり歩いたと言えるような傷跡が所々に付いている。
足を引きずりながら歩いていたことは覚えていた。
しかし、それ以前の記憶がない。
ただ前に歩けば人に会える、そう自分に元気付けるように発声した。
『身体に深刻なウイルスの感染を検知、医師を呼んだください』
頭に機械的な言葉が響き、気を失った。