23 喜びの雨
「本当に?」
レイナは喜びに満ちた声をあげた。
その勢いに、なぜかファームルは及び腰になった。
「そうかぁ。みんな、雨うれしいんだあ!」
「あぁ、おかげで、みんな種まきができたよ。これからも時折雨が降ってくれたら、しっかり収穫できる。そうしたら、もう…」
「そっかぁ!やったぁ!」
ファームルの言葉を遮って、レイナは叫んだ。
レイナの様子にどう反応してよいのかわからず、ファームルは救いを求めてサニーを見た。
「ああっもうっ!」
サニーは自分の頭をガシガシとかき混ぜた。
「本当は許したくなんてないんだけど、一番怖がっていたレイナちゃんが、こんだけ喜んでいるんだから、もういいよ、ね、ガーディアさん」
「そうだね。でも、次は絶対にないからね。もし、次したら…容赦しないから」
よくわからないが、どうやら許してもらえた様子に、ファームルはコクコクと急いで首を縦に振った。
「まだ降り続いているね」
外に出てサニーは降り続く雨を眺めた。
とはいえ、先ほどまでの雨とは違い、どことなく優しい。
横では頬を真っ赤にしたレイナが、嬉しそうにその手に雨を受けていた。
「雨を降らせて、よかった!」
レイナの嬉しそうな叫びにサニーとガーディアは顔を見合わせて微笑んだ。
第1章完結です。
とりあえず、レイナは、雨の大切さを知ることができた、というところまできました。
まだまだコントロールなどはできませんが…。
今後ともよろしくお願いします。




