20 雨が降らない日々
相変わらずの晴天が続く。
「うーん、やっぱり異常だなぁ」
元天気予報士のサニーはやや厳しい顔で空を眺めた。
「そうかなぁ?私は晴れてる方が好きだから、むしろ嬉しいけど。ほらこの辺りに寝転がったら気持ち良さそう」
ガーディアはそう言って草むらに転がった。
「ガーディアさん、寝ないで。先に行くよ」
サニーは寝転んだガーディアの額を軽く叩いて起き上がるよう促した。
「ちぇっ。別に急ぐ旅でもないんだから昼寝くらい…」
ガーディアは残念そうに舌打ちをして、ブツブツつ呟いたが渋々立ち上がった。
「エレファー、雨…嬉しいって言ってた」
「そうだね」
少しうつむきながらそう言うレイナにサニーは微笑んだ。
「俺は雨も好きだよ」
「ちょっと待って!」
眩しいねぇ、なんて呑気にサニーが言いながらのんびりと道を進んでいると、ガーディアはそう言って二人の前に立った。
ガーディアの眦は上がり、手は腰の剣にかかる。
レイナはビクリと体を震わせ、サニーはそんな彼女の体を優しく包み込んだ。
「そっかぁ。ここ最近雨が降らなかったってことは、俺たちが平穏無事な旅が続いていたってことでもあるわけかぁ…」
呑気にそんなことを呟くサニーをガーディアがキッと睨みつける。
「ちょとアホなこと口にしてないで、レイナちゃんのことはしっかり守ってなさいよ!」
「はい、レイナちゃんのことは任せてください。あとは頼みます!」
サニーの表情も一気に引き締まり、サニーはレイナの小さな手を握りしめた。
「大丈夫だよ。俺たちにはガーディアさんがいるからね」
レイナはサニーの言葉に硬い表情のまま頷いた。
「そ、そこの旅人さんよ、止まりな」
手には斧、鍬…そんなものを握りしめ、現れたのは15人。ただし、やや腰が曲がり始めた白髪頭の男から、斧を持ち上げるのさえ困難な幼子まで含めて。実際闘いになった場合、戦力になるのは、5人ほど。
とはいえ、こちらの戦力は、ガーディアただ一人である。
サニーとレイナを後ろに隠しながら、ガーディアは現れた男たちを睨みつけた。
「お、お嬢さん…よ、金目のものを…置いていきな。そしたら…と、通してやるよ」
中でも一番体格の良い男がそう凄むが、つっかえながらの言葉でどこか迫力がない。
「その要求はのめないね」
ガーディアは、そう言うと、剣をスルリと抜いて、男たちとの間合いを詰めた。
「こ、後悔、する…ぞ!」
ジワリと後退しながら、男が吠える。
「どちらが?」
そう言うガーディアは、ニヤリと笑みを浮かべたようだった。
ガーディアが剣を振り回し、男の一人に迫ろうとした時、「あっ」と可愛い声が上がった。
ガーディアは、思わず動きを止めた。
斧を引きずりながらついてきていた幼子が、広げた手のひらに雫を受け、ニッコリと笑っていた。




