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雨女でゴメンナサイ  作者: 真楠 冷
第1章
19/26

19 雨の恵み

 爽やかな朝。

 空には雲ひとつない。


 レイナとサニー、ガーディアの3人はエレファーに連れられて、畑に来ていた。

「ほら、見てみろ。昨日の雨のおかげで、葉がイキイキとしている」

「本当だ!」

 そう言ってサニーは畑に足を踏み入れた。

 まだしっかりと水分を含んだ土に足がめり込んで、サニーは慌てて引き返した。

 その様子を見てエレファーはハッハッと愉快そうに笑った。

「日頃のわしの土づくりの賜物だな。雨が少ない中でも、ガチガチにならず、うん、よい土だ」

 エレファーは土を手に取りながら満足そうに呟いた。

「昨日まではさすがに少し葉がシュン、としていたが、おかげで今は元気いっぱいだよ」

 その言葉でレイナの顔に笑みが広がった。


「好きにとって食べたらいい。それが今日の朝食だ」

 エレファーの言葉に、3人は各々畑の作物に手を伸ばした。

 それぞれトマトやキュウリを手に取り、口に運ぶと黙々と食べた。

 その顔は全て笑顔だ。

 その様子をエレファーは満足そうに頷きながら見ていた。



「もう行くのか?」

 朝食を食べた後、出発の準備をする3人を見て、エレファーは寂しそうに呟いた。

「うん、まだ旅の途中だからね」

 サニーがそういう横でレイナはコクン、と頷いた。

 心なしかレイナの表情は明るい。

「気をつけていくんだぞ」

「はい」

 エレファーが心配そうにそう言うと、サニーとレイナはそう言ってエレファーと握手を交わした。

「任せといて!」

 ガーディアはブンブンと腕を回した後、エレファーと握手をしたがその力強さにエレファーは微かに顔をしかめた。



「ありがとうございました」

 そう言って3人は去っていった。

「近くに来たらまた寄りな」

 エレファーは3人の姿が見えなくなるまで見送ると家に入った。

「あいつはどうしているかな…」

 そう一人つぶやきながら、エレファーはベアルに手紙をしたためた。たった2日の出来事だったが、エレファーは出会いから思い出し、ついつい顔がにやけるのだった。

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