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生き返った俺は復讐を決意する  作者: 兎ダ 区
第一章 復讐を決意する。
9/15

(9) 「終わったと思ったらそもそも始まってもいなかった」

 俺は現在普通に授業を受けている。いつもと違うことと言えば、委員長のせいで昼飯を食べてないことだけだ。そして、おそらく俺は夕飯も食べることは出来ないだろう。その理由は、僅か三十分前のことである。  



~三十分前~


「ゆうくん。なんであの子と一緒に居たの?私以外の女の子には近づかない約束じゃん」

「おい、待て。極力近づかないの間違いだろ。そのたった二文字が抜けるだけで大変なことになるんだよ」

「そんなことどうでもいいよ」

「どうでもよくないっ!」

「この約束したのいつか覚えてる?」

「ああ、土曜日だろ」

「ゆうくんは極力の意味分かってる?分からないよね。だから教えてあげるよ。極力って言う言葉の意味は…

「悪かった!俺が悪かったよ。何にも伝えなくてホントにごめん。詳しいことは放課後にしっかりと話すから。今はごめん」

「………………………じゃあ、放課後。楽しみにしてるね」

「おう。楽しみにしとけ」



◇◇◇◇◇




 凄くめんどくさい。佐倉がダルすぎる。復讐のためとはいえ、俺にだって限度がある。あまりにもヤンデレが酷くなるようだったら早期に復讐しよう。数パターン計画は練ってあるから多少のズレはカバーしきれる。佐倉は俺に依存しているから、俺が突き放したら佐倉織姫という人間は崩れる可能性が高い。そこをきちんと狙っていこう……………



「なぁなぁ、祐也。昼は何処に行ってたんだ?」

「……………………………」

「祐也?」

「あ、俺?」

「そうだよ!お前以外に誰が居るんだよ!」

「誰かは知らんが授業中は静かにしろよ」

「うん、静かにはするけどちょっと待てこら。お前わざとやってんのか?わざとならまだいいけど、素だったら本気で泣くよ?」

「………………………………………」

「う、嘘だろ!?……」


「おい!そこ!うるさい!」

「あ、すみません先生。後ろの斎藤君にトイレに行きたいって相談されたもので………」

「おいおい、斎藤。勉強が出来るからってそんなことも自分から言えないんじゃ困るぞ」

「え、ちょっ先生…」

「今回だけは許してやるから早く行ってこい」

「え、だから俺は」


 

 俺は後ろを向いて笑顔で言い放った。



「斎藤君。行ってきなよ。生理現象は仕方ないことだから。恥ずかしいことは何もないよ!」

「ぐぬぬぬぬ!覚えてろよ、祐也!この仮はトイレに行ったあと返すからな!」

「そのときはまだ授業中だけどな」

「うわわわわわわわわわわ!!!」



 騒々しいやつだな。なんであんなやつが引っ掛かるんだろう。記憶の一部が霞んでるっていうか、違和感があるっていうか。とにかく、分からない以上は注意だけして放置だ。あんなやつに構ってる暇は残念ながら無いからな。



◇◇◇◇◇



 何事もなく、放課後を迎えた。俺の現在地は正門。佐倉織姫という名のイカれてる女を待っているところだ。

 

 暇潰し程度にシアイチを確認していたところ、今日の委員長との出来事は載っていなかった。つまり、前世で俺はあの子とほとんど関わっていないようだ。佐倉を軽く手懐けたことで未来が変わったのかもしれない。推測だが佐倉が俺と別れた理由の一つは裏で委員長が手回しをしていた可能性がある。そう考えると今回、委員長を潰しておいたのは正解だっかもしれない。



「ゆうくん。」

「あ、織姫」

「行こうか。話したいことがいっぱいあるから」

「ああ、俺も話したいことがある」

「なら、私の家でいいよね?」

「悪い織姫。別のところで話さないか?」

「……………うん。いいよ」

「サンキュー」



 さて、新居を借りる手続きをしに不動産に行こうかな。学校である程度借りる場所は絞りこんどいたから平気だろう。


 向かう途中、最初は黙っていた織姫も我慢しきれなかったのか口を開いた。



「ゆうくん、どうして西園寺さんと居たの?」

「西園寺………?」

「ゆうくんが昼休みに一緒にいた子だよ」

「あ、そうなんだ」

「自分のクラスの委員長なんだから名前ぐらい覚えなよ」

「興味無かったから知らなかった」

「変わらないね。そういうところ」

「まぁな」

「それで、どうして?」



 別に隠す必要もないだろうから、包み隠さず話したほうがいいのか?下手に隠してもバレるだけだしなぁ。でも………………



「委員長に、呼び出された」

「なんで?」

「プライバシーのこともあるから詳しくは言えないけど、相談にのってた」

「一応、確認させてね」 

「おう」 

「やましい内容の相談?」

「違うな。人生相談に近い感じの内容だ」

「うん。分かった。ゆうくんのことだから嘘はついてないと思う」  

「ありがとな」



 決して嘘はついていない。あれも見方を変えれば一種の相談だと俺は思う。セーフかアウトかで言えば、ぎりセーフなはず。


 結果的に佐倉に嘘をつくことになったが、ある意味最初から佐倉に嘘をついてるのだから心が痛むことはない。まぁ、そもそも痛む心を持ってないからよく分からないが。




◇◇◇◇◇ 



 

 そんな感じで無事不動産に辿り着くことができた。




 このとき俺は緩みきっていた。このあと起こる事件に対応が遅れたのは、それが原因かもしれない。









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