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生き返った俺は復讐を決意する  作者: 兎ダ 区
第一章 復讐を決意する。
3/15

(3) 「ヤンデレ(弱)な佐倉織姫に振り回される」

 ショッピングモールに着いた俺たちは、マクラナラアルゾ通称マックにて、昼食を食べることにした。



「やっぱ、マックのシェイクはおいしなぁ」



 幸せそうにマックシェイクと四角チョコパイを食べる佐倉を見つつ、このあとの予定を考えていた。当分は佐倉の好感度をひたすら上げつつ両親についても計画を進めていこうと思う。



「ゆうくん」 

「んーなんだ?」

「電話でも言ってたけど、しばらくは時間がとれるってどういうこと?」

「ああ、それか」

「うん。今年はずっと忙しかったのに、何で急に時間をとれたのかなぁーって思って。それに来月、受験でしょ?」

「まぁな。たしかに来月受験だけど、残り一ヶ月でそんなに勉強が出来るようになるかって言われたらちょっと違うだろ?どっちかっていうとこの時期はストレスとか解消して精神的に休めたほうが良いと思ってな」

「んー。確かに!……はっ!つまりそれは私と居ると精神的に楽なのかな??」

「織姫は俺の彼女だからな。織姫と一緒に居ると楽なのはたしかだよ」

「えへへへ」



 全部嘘だよ。織姫。お前と一緒に居ると、憤りを覚えるよ。それぐらい俺はお前のことが嫌いだ。いや、嫌いなんて次元ではないか………殺したいと思うこともあるよ。覚えていろ織姫。お前は一ヶ月後俺のことを強く憎むだろう。しかし、それは仕方ないことだ。お前はもう既に罪をおかしているのだから。




◇◇◇◇◇


 

 その後、俺たちは服を見るためにジミクロに向かった。



 先程から、「この服どう?」とか「あ、この服可愛い!」とか全くもって俺には理解できないことを言っているが、あえてここは何か言っとくのが良き彼氏(偽善)というものだろう。



「あ、その服織姫にとっても似合ってると思うよ」

「え、この服?」

「違う違う。その隣の服だよ」

「こっちか!」

「うん。そっち。俺的に結構好みだなぁその服」

「私も結構気に入ってたんだよね、この服」



 よし。いい感じ選べたっぽいな。俺には隣の服との違いがよく分からないが、第一声の「え、」が今までと比べて明らかに違ったからこの選択は正しいようだ。



「じゃあ、これ。買おっかな?」

「いいと思うぞ。ただ、他の服も見とけよ?もっといいのが見つかるかもしれないから」

「そうだね!第一候補ってことでもうちょっと探して見よっか」

「おう」



 果たして、この女にとっての「もうちょっと」とは一体何分なのだろうか。想像したくはないが多分何分ではなく、何時間になることは確かであろう。




◇◇◇◇◇



 結局、佐倉は俺が言った服を買ったようだ。途中までは俺も頑張って意見を出してみたが、服については素人だし、興味もない。試着をし始めたあたりからどうでもよくなって、「可愛いよ」だの「似合ってるよ」だの、気持ちのこもってない返事をしていた。そのせいなのか現在………………



「お、織姫?このあとはどうする?」

「別にー。ゆうくんの好きにすればー。"私"はもう充分お金も時間も使いましたからー」



 この有り様である。「私」を強調するあたり相当ご立腹である。うん。ホントにめんどい。なんなのかなまじで。こっちが少し放っておくと機嫌が悪くなる。あーもう。うぜー。……………うん。語彙力。

 一回落ち着いて、深呼吸。すー。はー。すー。はー。……よし。今ここで関係が破綻したら何もかもおしまい。もう一度、良き彼氏を熱演しよう。



「ごめんな。織姫。俺ってさ、服とか正直分からないから途中で疲れちゃうんだよね。ホントにごめん。今度でいいからさ、服について教えてくれると嬉しいんだけどな」



 あ、満点解答だろ。これ。手応えはあったぞ。さぁどうくる。



「××××××」

「え?ごめん。聞こえない」

「だからっ。そんなこと言われたら、怒るのも怒れなくなるじゃん!」



 なにを俺は怒られるのですかね。はい。女心は分かんないなぁ。ま、でもひとまずこれで大丈夫かな。



「ああ、ホントにごめんな。そのお詫びって言ったらあれだけど。何でも一つ言うこと聞いてやるぞ?」

「え!ホントに!?」

「おう。本気と書いてマジだ」



 急に笑顔になりやがって。そんなに嬉しかったのかよ。ったく、そんなに喜ばれるとこっちとしては、吐き気を催すからやめてほしい。テンション変わりすぎて鳥肌がたつよ。



「うんとねー。うんとねー」

「なんでも言ってみろ」

「実はね……」

「おう」

「今日ね。」











「パパとママ、家に帰って来ないんだ。」






 は?はああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?





 ちょっと待て。いや、だいぶ待て。何を言ってるんだこの糞女は?パパとママが帰ってこない?つまり、それはあれだよな。「今日一人だから泊まり来ても平気だよ」って言ってるのと同じだよな。どう反応すれば良いか分からないから、とりあえずとぼけるか。



「へー。そーなんだー。寂しいならなんか、大きいクマのぬいぐるみ買ってくか?」

「いらないよ!いや、まぁ確かにそれはそれで欲しいけど、ううん。だいぶほしいよ!だって、あれココドコ限定だし。じゃなくて、分からない?」

「…………………分かるよ」

「分かってんなら、良いよね?」



 俺なんで、「何でも一つ言うこと聞いてやる」なんて言ったのだろうか。今さら後悔しても仕方ないか。仕方ないが……。一応悪あがきはしてみるか。



「………………ダメ」

「何でも一つ言うこと聞くって言ったよ………ね?」

「宜しくお願いします」

「うん!さ、じゃあ帰ろうか」




 あれ、俺復讐するんだよね?おっかしいなー。ま、当分は好感度を上げるって決めたしこれはこれでいいかな。


 

 

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