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生き返った俺は復讐を決意する  作者: 兎ダ 区
第一章 復讐を決意する。
10/15

(10) 「夢(?)の一人暮し」

「ねぇ、ゆうくん」

「なんだ、織姫?」

「ここに来たってことはまさか」

「そのまさかだ」

「そっか………うふふふ。流石ゆうくん」

「ん?何か勘違いしてないか?」

「え?勘違いってなにを?」

「俺がここに来た理由」

「ここに来た理由って、私たちの将来のためにお家を見に行くんでしょ?」

「ん、なわけねぇーだろ」

「じゃあどうして?」

「借りに来た」

「ほんとに!?見に行くんじゃなくて、借りに!?ゆうくん、流石の私でもそれはびっくりだよ!」

「ん、なわけねぇだろ!」

 


 なんか、最近キャラがおかしくなってる気がするのは俺だけかな。




◇◇◇◇◇




 ここの不動産の主は地元が大好きなことで有名で住民からは「ジモアイ」なんて呼ばれている。不動産にしてはなんともらしくない愛称だろう。そもそも不動産に愛称なんて付けるか普通。


 そんな不動産「ジモアイ」は佐倉も勿論知っている。いや、この市に住む人ならばほとんど全員が知っているだろう。小学校低学年のときに配られる、郷土について書かれた資料に載ってたぐらいだ。「ジモアイ」パネェ。



「ゆうくん。私、地味に初めてもかもしれない。ジモアイに来るの」

「奇遇だな。俺もだ」

「これで私も立派なこの市の一員かな?」

「……………?」

「あれ?ゆうくん知らないの?ジモアイに行かなきゃ市民じゃない!って」

「ごめん、初耳」



 いつから「ジモアイ」は市役所的なのになっていたんだ。全く理解出来ない。



「と、とりあえず中に入ろっか?」

「う、うん。」



 何故か佐倉が緊張しているのは放っておいて、俺は勢いよくまた丁寧にドアを開けた。




◇◇◇◇◇



「Welcome to ようこそ!ジモアイ!今日も絶賛営業中ー!!」



「………………は?」



 あまりに意味が分からなくてフリーズしかけたが、どうやらこの店は頭が少し残念なようだ。客を歌って迎えるとか聞いたことねーよ。しかも、ここ不動産だぞ?もう、何が正しいのか分からなくなってきた。



「うわぁぁ!!すごい!すごいよ!ゆうくん!これがあの有名な………!!!」

「ごめん。織姫。俺、もうついていけない」

「うわぁぁ!!」

「聞いてねぇー」



 復讐のためじゃなかったらさっさと帰ってるレベル。何て言ったけ?あいつ、ほら、あのー、授業中にトイレに行ったやつ。なんかここ、あいつと似たものを感じる。だから、妙にムカつくのか。納得。



「あのー。すみません。部屋を借りたいんですが」

「いいですよ」



 返事をしてくれたのは歌っていた店員とは全く違う礼儀よさそうな白髪の男性だった。ここの店員とは思えないくらい、まともな人である。



「それで、どんな部屋を?」

「あ、はい」



 俺は考えておいた部屋の特徴を何個か言った。正直、無茶な条件もあったため難しいと思っていたが、流石郷土の資料に載るだけはある。数十秒ほどで考えておいた部屋と似たような部屋が見つかった。



 念のため、両親に電話をかけ確認をとってからその場で決断した。



「ありがとうございました。お陰でいい部屋が見つかりました」

「いえいえ、部屋探しを手伝うのが私どもの仕事ですから」

「最後になって申し訳ないんですが、お名前を伺っても?」

「勿論いいですよ。私は渡島曜太わたしまようたと申します」

「ありがとうございます。それではまた」

「今後ともご贔屓に」



◇◇◇◇◇



「良かったね、ゆうくん」

「ああ、良かったよ。明日にでも入居出来るらしいから、家に帰ったら荷造りしなきゃな」

「なら、明後日からは私が朝ごはん作りに行ってあげるよ」

「いいよ、別に」

「だーめ。ゆうくん、私が作りに行かなきゃコンビニとかインスタント麺で絶賛済ませるもん」

「否定はしない」

「じゃあ、作りに行くから」



 帰り道、そんな話をしながら歩いていると一台の車が俺たちのもとへやって来た。



「祐也」

「え?」



 車の主は俺の良く知っている人物。父親である。両親には付き合っていることは言ってないので、少し気まずい。


 そして、そこに追い討ちをかけるようにもう一人の人物がやって来た。



「あ、祐也にお父さん」



 母親である。何とも面白いことに俺の復讐相手のほとんどが揃ってしまった。しかも、佐倉の家の前で。俺の家と佐倉の家は徒歩で5分掛かるか掛からないかの距離にあるため、遭遇することは稀にあるが全員が同時に遭遇するのはこれが初めてもかもしれない。



「祐也、その子は?」

「初めまして。裕也くんと()()に交際させてもらっています、佐倉織姫と言います」

「佐倉?………あ、同じ町内の」

「あ、はいそうです」

「母さん、ここ織姫の家だよ」

「あら、そう……」

「まぁ、いい。俺は帰る。祐也もなるべく早く帰ってこい。話すことがある」

「うん」

「待って私も乗せて」



 そんな感じで、あっという間に佐倉と二人きりに戻ってしまった。



「なんか、悪いな」

「ううん。遅かれ早かれ、ご両親には挨拶に行こうと思ってたから」



 どういう意味でかは追及しないでおこう。



「このあとどうする?」

「父さんが何か行ってたし、今日は帰らせてもらうよ」

「うん、分かった」

「おう。じゃあな」

「ばいばいー。」



 こうして、三日目が終わりを迎えつつある。家に帰ったらどうせめんどくさいことになると予想しつつ、帰路についた。

この物語はフィクションです。



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