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生き返った俺は復讐を決意する  作者: 兎ダ 区
第一章 復讐を決意する。
1/15

(1) 「死んだけど生き返りました」

超不定期更新です。

 もし、現時点で自分に履歴書を作るとしたら学歴の部分にはこう記入されるであろう。


【全国一の私立大学 受験】

【全国一の私立大学 不合格】


 もし、とある一日のことを日記として残すならばこう書くだろう。


【全国一の私立大学に落ちた。お昼頃、幼馴染みで彼女の×××にフラれる。夕方、散歩しに外に出たら居眠り運転のトラックに轢かれる。病院にて命に別状がないことを判断されるが、運動などの心臓に負担をかける行為を二度とすることが出来ない体になる。その日の夜、前々から仲が悪かった両親が離婚した。以上】


 なんて、最悪な日記だ。たった、一日で社会的にも精神的にも肉体的にもドン底に落ちた俺は、入ったら二度と出ることが出来ないと言われている富士の樹海に潜り自殺した。はずだった……………………………



 現実か夢か分からない曖昧な世界で俺は天使のような悪魔のような曖昧な生物に出会った。そして、曖昧な生物は俺にこう告げた。




「ああ!お主はなんて可哀想な人間なのだ。我はお主が可哀想で可哀想で普段の半分もご飯を食べることができなかったぞ。故にお主に我からプレゼントをくれてやろう。あの最悪な一日はちょうど一ヶ月前からこつこつと悪いものが積み重なって、迎えた日。つまり、お主はあの日から一ヶ月前、すなわち二月十日からやり直せばあんな日を迎えずにすむ。さぁ、頑張りたまえ!あの日を再び繰り返すか、それともやり直して理想の暮らしを手に入れるか、あとはお主の頑張り次第だぞ…………」




 イマイチ何を言っているのかよく分からなかったが、これだけは理解した。俺はもう一度人生を歩むことができる。そうと、分かったらやることはただ一つ。あの日、俺をドン底に落としたやつらに対して復讐あるのみ。幸い一ヶ月も時間がある。次はあいつらが落ちる番だ。曖昧な生物は理想の暮らしを手に入れるかとか言っていたが、俺はもう一度死んだ身。もう、我慢なんかしない。俺は俺がやりたいように生きてやる。それが俺の理想の暮らしだ………



◇◇◇◇◇


 目を開けると、もう二度と見ることはないと思っていた自分の部屋の天井が視界の中に入ってきた。本当に戻ってきたのか確めるために俺は枕元に置いてあった、スマホを手に取り時間を見た。



【8:46 2/10(土)】



 俺こと、東雲祐也しののめゆうやは本当にこの理不尽で、欲望にまみれた世界に戻ってきた。俺がやるべきことはただ一つ。俺の前の人生・・を滅茶苦茶にした奴等に復讐をすること。これを成し遂げるために俺は丸一日、使って入念に策をたてることにする。そうと、決まれば早速行動を開始する。

 

 ベットから降りて机に向かう際、不意にスマホが唸った。何事かと思い確認してみると、そこにはつい最近俺にチャンスをくれたあの曖昧な生物が映っていた。




「やぁ!お主の二度目の人生を近くで観察したかったからスマホの一部を占領させてもらったぞ。」




 スマホの中にいる曖昧な生物はあのときと同じように俺に喋りかけてきた。




「ご自由にどうぞ。俺は俺の邪魔さえしなければ全く気にはしない」

「そう、言ってもらえると我も嬉しいぞ。その礼とは言わんがこんなアプリをお主のために用意してやったぞ」

「ん?」




【東雲祐也のあの日までの一ヶ月間!!略して、シアイチ!】


 スマホにはっきりと言って気色悪い題名のアプリがインストールされていた。

正直気が進まないが、今はこいつの言うことを聞いといたほうが後々良いのではないかと思い、そのアプリを起動させた。




「このアプリはな、お主の前の人生でのこの一ヶ月間の行動をこと細かく記した、云わば日記帳みたいなものなのだ。お主の復讐にきっと役立つはずだ」

「ふーん。確かに便利かもな。有り難く使わせてもらうことにする」

「それとな、お主が頑張れば頑張るほどこのアプリは進化を遂げるぞ。まぁアプデみたいなものだ」

 



 妙に人間臭いな。こいつのことを理解するのは至難の技だと考える。




「使いこなせるよう努力するよ。ああそうだ。お前に聞きたいことがある」

「ほう。言ってみろ」

「お前の名前はなんだ?」

「我の名前か?」

「ああ、そうだ。俺にとってお前は天使か悪魔か分からない曖昧な生物っていうことにしているのだが、それでは何となく気持ちが悪い。それとお前とは長い付き合いになりそうな気がする」

「なるほどな。あながちその考えも間違ってはないが、一応我のことを教えておこうか」




 少しの沈黙が流れたあと、あいつは慣れた口調(多分)で話始めた。




「我の名はアモン。名前ぐらいならお主でも聞いたことがあるだろう」

「アモン……あぁ、分かったぞ。たしか、悪魔ではなかったか?」

「やはり、我のことは「悪魔」として認識しているようだな」




 曖昧な生物改めアモンは何か重要なことを、呟きすぐに別の話を始めた。




「ところで、お主。前の人生……長いから前世とでも言わせてもらうが、前世の今日の予定は見ておかなくて平気か?今日からあの日へ積み重なっていくものが何かあるんだからな」

「そうだな。確認しておくか」




 俺は手に持っているスマホを操作して、アモンが用意したアプリを起動した。

画面には今日からあの日までの日にちが書いてあり、その日にちを選択すると前世の俺の行動が分かる仕組みのようだ。




「今日の予定は………」



2/10(土) 

   AM 9:00

    10:00 受験勉強開始

  PM 12:00 受験勉強終了

    12:30 昼食

    13:00 受験勉強開始

    18:00 受験勉強終了

    18:30 お風呂

    19:00 夕食

    19:30 受験勉強開始

    21:00 受験勉強終了

    21:30 就寝


 

 な、なんだこれ。俺ってこんなに勉強漬けの生活をしていたのか…自覚なかった。




「気色悪い生活しているなお主」

「あ、ああ。正直自分でも気持ち悪いぞ。これは」  




 と、とりあえず朝食はこの通り行こう。そのあとは、少し考えるか。








恋愛要素はこれから出てくる(はず)

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