菱目打ちと綺麗な縫い目
さて、騒音のお話です。
レザークラフトは、穴を開けてから、そこに針を通して糸を縫います。
布だったら、いきなり針で穴を開けることが出来るのですが、革は頑丈ですから、針では歯が立たないのですね。
で、穴を開けるために菱目打ちと言う道具を使用します。イメージとしては、悪魔がもっている三叉のアレです。アレのミニチュアバージョン。
菱目打ちを革に当てて、柄をハンマーでカコーンカコーンと叩くわけです。
この音が半端ないです。
夜にこれをやると、数秒で向こうの部屋にいる嫁が怒ってやってきます。
多分、1分も続けたら、上の住人が怒ってやって来るんじゃないでしょうか。
それ位、音が響きます。なので、休みの日の昼にやる訳です。
昼にやっていても、気を使います。とにかくうるさいですから。やがて嫁が不機嫌になります。やっぱりうるさいんですよ。でも、続けます。金を掛けているから、もう後には引けんのです。
せめて、膝にクッションを乗せて、その上でカコーンカコーンとやります。かなり音がマシになります。ゴッ!ゴッ!って感じで、やはりまだまだうるさいのです。
そうやって穴を開けて、糸を縫っていくのですが、なかなか綺麗に縫えないのです。ガタガタなのですね。
それでも気にせず、自分の作品が生まれるのが嬉しくて、ハギレで小物入れを生産しまくっていたのですが、ある日、出張先のレザークラフト作家さんのショップを覗いて、ガクゼンとしました。
縫い目がメチャクチャ綺麗なのです。
縫い目が綺麗だと、視界に入った瞬間に、脳みそが気持ち良くなって「これ欲しい」と判断します。思わずびっくり。
縫い目って、メチャクチャ大切なんですね。
その後、綺麗な縫い目を作ろうと練習したのですが、ぜんぜんうまく行きません。
我流の縫い方を、ネットで動画を見て矯正したのですが、それでも全然ダメです。根本的に、何かが違う。
色々考えた結果、結論が出ました。
結局、穴あけの段階でダメだったのです。
騒音対策で、クッションの上で菱目打ちを叩くと、柔らかくて安定していないので、穴が垂直に開かないのです。どうしてもナナメに刺さるのですね。革の厚みは1ミリ以上なんてザラです。重ねたら2ミリです。微妙なナナメが革の向こう側でかなりの位置ズレとなります。あと、横にもズレる。穴の大きさも不安定になる。
それが、穴の間隔と並びを不規則にさせていたのです。
つまり『縫い目が綺麗=縫い目が規則正しい』という事だったのです。
固いところで垂直にカコーンカコーンと打てたらいいのですが、マンション住まいの自分にはなかなかできません。
困っていたら、ネットの動画で、騒音なしでできる方法が紹介されていました。こうです。
①穴開け用の線を引く
②菱目打ちで等間隔に目印を付ける
③コルクなど柔らかい物の上で、菱錐で目印位置に刺し、穴を貫通させる
なるほどっ!これなら、カコーンカコーンの工程が無いですな。しかも、手の角度を集中したら垂直の穴が刺せる。1センチとかブッスリ刺したら、穴自体の広さも安定する。素晴らしいです。
しかも、極論を言えば、菱目打ちの代わりにステッチングルレットでも、これっていけるんですよね。
自由自在に穴の距離がいじれる訳です。
結局、菱目打ちって、加工スピードが早いけど融通が効かんっちゅう事なんかなあ、と思いました。菱キリ以上、ミシン未満。
あと、今のところ、私は丸キリで穴あけしています。100均で手に入れたのが丁度手元にあったからです。
グイッ!グイッ!グイッ!と菱目打ちで強くカタを付けます。基本は6本の奴で。3本を前の穴にかけて、残り3本を新しくカタツケに使います。そうしたら、直線が安定します。
その後丸キリで貫通させると、手前側に元々の菱目の形が規則正しく残ります。向こう側はマル。もし菱キリだったら、ダブル菱目で、手前の菱目の形が不規則になりそうな気がします。やってないので実際どうかは分かりませんがね。
菱目の形って、よく考えたら、規則正しい縫い目を作るのに役立つ形状だなあ、とかも思います。片方の糸が斜め上に固定され、もう片方は斜め下に固定されるわけですから。
で、多少は綺麗に糸が縫えるようになりました。まだまだ下手くそですがね、上達具合は格段です。ふふふ。
結論。
綺麗な縫い目は、規則正しい縫い目。
納豆ってヤバイみたいです。
ググったら分かるのですが、納豆菌は地球侵略を企む地球外生命体の可能性があるそうです。
その美味しさを利用して、日本の食文化にジワジワ溶け込み、既にかなりの規模での、日本侵略に成功しているそうです。
そう、
関西を除いて。