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黒の天使   作者: 橘 藍華
5/10

苦しみ

第5話

目が覚めたのは病院だった。

見たこともない天井と、嗅いだこともない匂い。少しばかりゴムのような匂いもする。


そうだ、彼女は、美咲はどうなったんだ?一緒にひかれたはずだ。

あれ?痛みがない。傷もない。

無傷⁈

どういうことだ。何故傷がない。


『それは、あなたが1番を選んだからよ』と耳元でささやかれる。


『うわっ!』

俺は大勢を崩しベッドから落ちる。

しかし痛くない。何故?


『私言ったでしょ。どんなことがあっても死ねないって』


そういえば言われた気がする。あの決断の間で。あの漆黒の暗黒の暗闇のダークで。


『あぁ確かに言われた。あれは本当だったのか』

『嘘付いてどうすんのよ』

『まぁそうだよな』


そういえば何でこいつはここに居るんだ。あの場でしか会えないのでは。

『なぁ、何でお前はここに居るんだ』

『いちゃ悪い?』

『いや、そうじゃ無いけど』

『ならいいじゃない』

『…………』


まぁ居ても悪いことはないけど。

そういや美咲はどうなったんだ?


『美沙は、美沙はどうなったんだ?』

『死んだわ』


絶望、絶望、絶望、絶望、ゼツボウ


は?死んだ?何を言ったんだこいつは?死んだ?そんな訳が。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。認めない。

目元が熱くなり、視界がぼやけてきた。


『本当よ、いまのところは』


『あいつは死ん……今…なんて?』

『選んでいるのよ。彼女が彼女自身のこれからを』


そうか、ということは美沙は死んだけどまだ、死んではいない。

『よかった……』と安心した声を出す。


『それが良くもないのよね』

え?

天使は続けた。

『彼女、そのまま消えようとしているのよ』


第一の選択肢 一週間生き返れる

第ニの選択肢 記憶と人生リセット

第三の選択肢 そのまま消える

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