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黒の天使   作者: 橘 藍華
4/10

決断

第4話

人生において死について考えることはあまりないだろう。しかし、死に直面した人間はこう思うだろう。生きたいと。

それはとても愚かで悲しき考えだ。

これはそんな死に直面どころか、死んだ少年の世にも奇妙な物語である。


『天使決めた。俺は1番にする』

『ほう、本当にいいんですか?』

『あぁ、行かなければいけない気がするんだ』

確かにやり残したことはあった。それをやり遂げるまで死ぬわけにはいかない。まぁ死んだんだけどね。


『ひゅーひゅー。かっこいー。』と、天使は俺を煽り、最後の確認をしてきた。『いいだろう。ただし一週間経ったらその時点で終わり。あなたは意識を失ない、死ぬ。一応死因は心臓麻痺。そしてここへ帰ってくることはできない。それで良いですか?』


YES or NO 答エハ決マッテイル


『もちろん。ちょくらデートしてくるは』と俺は強気に口にした。


『ふん、リア充爆発しなさい』

なんでそういうこと言っちゃうの?めちゃくちゃいい空気だろ。


『まぁいいわ。いってらっしゃい』

『おう、行ってくる』

『あ、言い忘れていたけど、その一週間はどんなことをしても死ねないからね。注意だよ』

大丈夫だ死ぬことなんてあるわけがない。

ふわっと意識がぼんやりしていく。


身体に暖かい空気が触れる。

目が覚めたのは教室だった。1組である。

漢字の再試最中である。


記憶は失っていない俺。つまり答えがわかる俺。多分人類史上初のカンニング方だろう。


さっさと再試を受けて廊下へ出る。


俺はそそくさと昇降口へ向かうい、

横谷と合わず、靴を履き、校門を出た。

坂を下り、例の信号までつく。


信号には美咲がいた。おそらくこの時間ならまず安心だろう。

そして俺は美咲に話かけた。

『よっ』

『あ、一夏君』


信号が青に変わる。


『明日のことだけどさ』と話を切り出す。

美咲は『明日、ほんと楽しみ』っと言ってくる。そんなに楽しみなのか。


嫌ナ予感ガスル


案の定トラックが突っ込んできた。


一つの平和な交差点。時間が止まっているように平和な町のたった一つの交差点。そこには遺体が'一つ'あった。

辺りには赤い水たまりができていた。


第4話 終わり

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