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黒の天使   作者: 橘 藍華
2/10

天使

第2話

どうやらひかれたらしい。


まだ意識があるということは、そう時間は経っていないはずだ。


しかし痛みが無い。というか時間の進む速度が遅い。まるで時間の止まった世界に取り残された様だ。


状況判断は簡単にしか出来ないが、自分より身長の高い人たちが俺を囲んでいる。


おそらくさっきの高校生だろう。


せめて慰謝料ぐらいは欲しいものだ。我ながらゲスい。


思考ガ思ッタ以上ニ回ル。


しかし災難だ。明日デートだぜ俺。


一瞬脳内に横谷の顔が出てくる。恨まれてんのか?と思った。


このまま死ぬのか?という疑問が頭をよぎる。同時に死んだらどこへ行くのかという、ひどく怖い恐怖に襲われた。


ある一節は星になるという。またある一節は無だという。


無とは多分、生物ではなくなり、この世から存在自体が消えるということなのだろう。


まぁなんにせよ、俺が生きてい時間はもう長くは無いだろう。


手で触れている液体の様な感触は多分血液だ。それが増している気がする。


次の瞬間。痛みという言葉では表現出来ないほどの痛みが襲う。おそらく骨は砕かれており、腰辺りの肉が無い状態なのだろう。


痛イ痛イ痛イ痛イ痛イ痛イ痛イ痛イ。


そして意識はどこかへ、遠い遠いどこかへ行くように、うっすら途絶えていった。


頭が痛い。冷たいものを食べたときの頭痛とは違ったものだ。


目を開けると、辺りは真っ暗だ。明かりが無い無。しかし身体の感覚はある。先ほど無かった下半身の感覚もあり、手の指も動く。身体は治っている。


『やぁ、目が覚めたかい?』

それは若くて、小悪魔めいた女の子の声だった。


『ん、あぁ』

まだ少し頭痛がするが応答する。


『そうか、それは良かった。』

『君は一体…』

『僕かい?僕は天使だ』


自称天使なんて信用できるか。それにこの女の子は黒い服を着ている。我々人間のイメージしている天使とは天と地ぐらいかけ離れている。


『まぁ、早速君に話がある』と自称天使は言い、続けた。


『あなたに選ばせてあげるわ』

俺は『へ?』と裏声を出す。


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