災難
第1話
夕日が窓から差し込み、外では運動部の声が響いている。
漢字テストの再試で居残りさせられている俺は、気晴らしに廊下に出たが、たいして面白くない。
同じ階で卓球部が活動をしているはずだが、今日はいない。
『つまらないなぁ』と俺はつぶやく。
そこで『立花、戻って来〜い』と国語教師の高原先生から声がかかる。
俺は『はーい』と返す。はぁ。
俺は白いため息を吐く。
時期は冬である。年が明け、2月に差し掛かった初旬である。
俺はしぶしぶ1年1組の教室に戻る。
俺のクラスは2組。ただ、国語教師である高原先生が1組であるので、結果1組で再試を受けているのだ。
なんとか再試を倒し、帰ることにした。
俺は先生に挨拶だけして教室を後にした。
廊下に出た瞬間、ひんやりとした空気が身体に触れ、急激に寒さが増したように錯覚してしまう様だ。
階段を降り、一階の昇降口に着いたところで、同じクラスの横谷にあった。彼は野球部のバッターで、腕前はそこそこだ。
横谷が俺を発見し話かけてきた。
『あれ?立花じゃん。お前部活やってたっけ?』
『いや、やってないけど…』
『へー、あ!お前漢字の再試だろ!馬鹿だな〜』
(このやろう)
『まあね。じゃ』
一向も早くこの場を立ち去りたい俺は話を切り上げる。
しかし
『てかお前明日に葉山とデートだろ〜
いいよな〜。葉山さんかわいいもんなぁ』
そう。俺、立花一夏は同じクラスの女子、葉山美沙と付き合っている。恋人関係にあるのだ。そして明日が初デートである。
『あぁそうだよ』と俺は返し、話を切る。そして昇降口を後にした。
帰りぎわ、信号がちょうど赤になってしまったので立ち止まった。
後ろでは高校生がはしゃいでおり、俺はバカだなーと思いつつ話を聞いていた。
『てかアイス食いたくね?』と女子。
『それな』と声が低い男子
『マジそれ』と声が少し高めの男子。
おいおいマジかよ。お前らの会話ワンパターンすぎんだろ。ロボットの会話かよ。
『ちょ、暇だから今から踊る』と男子。なんでだよ?だいぶクレイジーだよ。
踊り出した。
『アホでしょ』
『まじウケるw』
いやウケるどころか普通に通報されるレベル。
と、そこで俺の背中にそいつが当たる。
前に押し出された俺は勢いで大勢を崩す。
次の瞬間、下半身の感覚がなくなっていた。周りに人が集まり、手には何かの液体の感触があった。
短い構成で手軽に読めたと思います。
これからもよろしくお願いします。