終戦 3
「……っく、 何故だ!! 何故我に攻撃を当てられるのだァっ!!?」
当たるっ!
「……何故、 デルタだけ攻撃が当たる……?」
アイズは落ち着き、 現在の状況を把握する。
今までアイズもタタリもデルタも、 一切の攻撃が当たらなかったのだ。
それが今、 変わった。
「まだだァっ!」
再び背中に向けて一太刀入れる。
「……っぐう」
確実に効いている。
血すらは出ていないものの、 黒い霧の様なものが傷口から漏れては散布している。
「我は……世界改革を望んだ。 だが、 それ以前に主最神なのだっ! 」
つまりは、 世界改革を望んでいるのは確かだが、 主最神としては全力で戦うしかない。 と。
「……違う。 ホロウ……お前は神として戦っているんじゃねぇ……ただ消えたくないだけだ。 こんなにも混沌とした世界は醜く、 穢い。 その世界を変える為には自分が死ななければ行けない事は分かっていた筈だ。 だがいざとなると死ぬのが怖い……そうだろ?」
その時、 ホロウの顔は苦悶の表情を一瞬だけ見せた。神であろうと人であろうと生き物には変わりない。死ぬとなると……。
「ただ……臆病なだけだっ!!」
デルタは素早くホロウの足元に滑り込み、 エルが固定してくれていた脚と鎖と地面を全て固める。
そう、 眼的固定だ。
シシルの能力。
視界の範囲内であれば固定させることが可能となる能力だ。
「……なっ!」
デルタの行動一つ一つに驚きの声を漏らしてしまうホロウ。
「いまだ! タタリ!!」
序盤で戦闘不能に追いやられたタタリの傷は癒えてはいないが、 多少動ける程度には体力回復はしている筈だ。
「……無」
最後に微弱ながら残ったタタリの体力全てを使い切る程度だが、 それだけでいい。
「デルタ、 オレの能力を構築しろ!!」
「……無っ!!」
すると、 ホロウの頭上に巨大な魔法陣が展開される。
「……暗黒魔法陣」
エルは独りでに呟いた。
暗黒魔法陣は、 全てのありとあらゆる秩序を無効とする最終魔法とまで呼ばれる禁忌の魔法だ。
「……デルタっ! その魔法を使ったら----」
そして、 世界中を覆っていた神秘の空間は破れ、崩壊した。
……ありゃりゃ。
流石に俺、 死んだか。
『そうだな、 確かにある意味死んでいる』
ガルロウアじゃねぇか、 久しぶり。
『……あの時の少年がまさかここまでやるとはな。 感服だよ』
そりゃどーも。
んで、 世界神が何のようだ?
『……助けてやろうと思ってな。 これでも私は世界神だからな。 人1人を生き返らせる事なんて、うんこするのとかわらん』
神でもうんこすんのかよ。
んー。
でも言いや。
疲れたし。
『……そう来ると分かっていたよ、 だから変わりにこれをやろう』
…………なんだよ、これ。
俺の掌で光ってんぞ?
『力だ』
ちから?
『あぁ、 世界を創る力だ。 これで世界を創ってみろ』
んー。
まぁ、 創ってみようかな。
そして、 神が生まれ。
丸い世界を創った。
青く。
翠で。
大きな。




