これから神退治……?
「へぇ、 デルタの能力の意味……ですか」
共に行動する仲間として、 エルには全てを知っておいてもらいたかった。
だから、 アイズとの会話の内容をあるもの全てを伝えた。
「んで、 どー思う?」
「どー思うって言われましても……まぁ、 神を殺すと世界改革はするでしょうね」
「…………マジで?」
まさかのエルの返答に、 驚きを隠すことを遮られた。
「えぇ、 だってこの世界って、 【大神】って名前じゃないですか……?これってつまりはこの世界すらも神なんじゃ無いですか?」
この世界すらも神?
この、 自分達が当たり前に暮らしているこの世界が神……?
「昔話では、 この世界は天界から降りた十三の神が十三元素を用いて造った物だと読んだことがあります」
そして、 神ですら一元素のみを扱えないという縛り《きまり》があるらしいが、 この世界は十三元素を用いている。
だから『大神』。
数多の元素を用いた集合体。
それを神々は『大神』と呼ぶことにした。
…………らしい。
「でもよ、 だったらアイズとタタリはこの世界を壊すって言ってんのか?」
「んーーーーーーーー……」
どうやら何か歩に落ちないらしかった。
腕を組んで目を瞑り、 唸り続ける。
頭の上に『もじゃもじゃ』が浮かんでいるのが見える位に。
「そこに取っ掛りがあるんですよねー……。 この世界を壊しちゃったら、 形的には全ての神を殺すことにはなります。 ですけれど、 それじゃあ『世界改革』ではなく『世界崩壊』になっちゃうんじゃないですか?」
「……あ」
そうか。
盲点だった。
『世界改革』は形あるものの定義の変更だが、『世界崩壊』だと、 形あるものを1度 消去し、 また1から作り直すこととなる。
全ての神を殺すことは、 この世界も殺す事となる。
「ウ〜ン……どーすりゃいいんだろうか……」
「……まぁ、 そこはおいおい考えるとしてですよ」
世界のことを『おいおい』と言ってのける盗賊娘だった。
「見てくださいよ! この美味しそうなパン達!」
その盗賊娘、 もといエルの腕の中には数々の種類のパンがいい香りを漂わせていた。
「はぁ!? エル、 いつの間に……」
今、 確かに商店街を闊歩しているが、 お金を払う時間も無ければ品定めする時間すらも無かった筈だが……!?
「…………まさか、 エル」
「いやぁ、 本職が働いちゃいました♡ テへ!」
……そうだった。
コイツ、 本職盗賊じゃんかよ。




