時間凍結
…………。
あれ?
俺って死んだっけ……?
確か、 ホムラと戦闘して……。
「……危ない所だったね、 デルタ」
声がした後方へと視線を流すと、 そこには白髪の少年……と、言ってもデルタよりは少し大人びている。
服装は白のTシャツと黒のジーパンだけの、 一風変わった服装に、 不思議な形を象ったネックレスを下げている。
「…………? 知り合いだっけ?」
「いや、 知り合いなのはボクだけだよ」
……?
何とも不思議な物言いだ。
その言い方だと、 目の前の白髪の少年はデルタの事を知っているが、 デルタは知らない……事になる。
「あってるよ、 それで。 デルタはボクの事は知らないだろうけど、 ボクはデルタの事は知っているからね」
「……誰なんだ? ってか、 俺は死んだのか?」
「安心してくれよ、 兄さんからはデルタを『死なせるな』と言われているからね……デルタを死なせたりはしないよ」
兄さん……?
「デルタには、 『タタリ』と言った方がわかるのかな?」
タタリ。
ファウズコロシアムの時の葵髪の少年か。
「……でも、 タタリは全然あんたよりは年下っぽかったぞ……?」
現在デルタは18歳。
目の前の少年は、 最早20に近い顔立ちだ。
だが、 タタリは16……盛っても17だった。
「----ってか、 この状況はなんだよ!?」
そう、 今の現状は、 全てが『停止』したかのような、 そんな感じ。
風も。
葉も。
人も。
動物も。
「ボクの能力、 時間凍結だよ」
時間凍結。
つまり、 今の状態はデルタと目の前の少年以外は停止していて、 動いていない。
動けるのは、 2人だけ。
「それで……名前は……?」
「おっと。ボクとしたことが、 まだ名乗っていなかったね。 ボクは『アイズ』だ。 ホロウが生んだ3人の眷属のうちの1人だ」
ホロウ……ってーと、 【十二神】の中でも親玉的存在の、 主最神じゃなかったっけな?
「そう、 ホロウは十二神序列1位の神だよ」
「ははは、 そいつぁスゲェな。 ホロウの眷属は、こんな事も出来んのかよ」
「何を人事みたいに」
……いや、 人事だからな?
「デルタ、 君もホロウが生んだ3人の眷属のうちの1人だよ? そして、もう1人が兄さん、 タタリだよ」
ほぅ、 そう来たか。




