シシルとのその後…
「……悪かったわよ」
デルタはいま、 シシルの選手控え室にて、 謝罪されていた。
「……私の勘違いだったなんて……」
結果、 シシルは棄権し自動的にデルタが勝者となった。
「いや、 別にいいけどよ……」
シシルの能力はやはり固定化系統の能力だったらしく、 看破された事に戸惑い、 慌てふためいていたせいもあるようで……。
「因みに貴方の次の相手は、 ララバイよ」
ゴクリと固唾を呑む。
細身のあの青年の能力も未だに判明していない。
「あのオッサン……負けちまったのか」
親切に教えてくれたガンも、 ララバイの前では歯が立たなかったらしい。
「しかもララバイは、 全く能力を使わなかったらしいわよ」
やはりララバイはまだ1度も能力を使用していない。
全てが謎に包まれたララバイ……
これから対戦する相手に、 自然と握る拳に力が入っていた。
…………と。
コンコン。
「あら? 誰かしら」
突然シシルの選手控え室に響くノックの音。
「いいわよ」
シシルの返事をきき、 ドアが開かれると、 そこには一目見たら忘れられない特徴的な葵い髪をした少年、 タタリが佇んでいた。
「……タタリ」
「やぁ、 取り敢えずはお疲れ様、 デルタ」
……俺はあんたより年上だよ。
……多分。
「……何しにきた?」
「君にアドバイスを上げようと思ってね……今の君じゃあ、 ララバイは倒せない」
少年は確信した。
断言した。
それは虚言なのかも知れない……。
だが、 言い切った。
今のデルタでは勝てない……倒せない、 と。
「それはつまり、 今の俺じゃ無かったら勝てるって事だよな?」
「その通りだ」
少年の目には何が映って居るのか……。
闇の様に深いあの目には一体何が……。
「さっきと言っている事が違うぞ? この前は俺はトーナメントで負けると言っていたが……?」
「君は素晴らしい……ボクの予想を遥かに上回る存在だ。だが、 君はまだ弱い……脆い……儚い」
「そして、 何れはボクの対象となる」
「……分かんねぇけど、 取り敢えず俺はどうすれば良いのか教えてくれ」
「……そうだね。 教えて上げよう」
そして、 ララバイ戦へ向けて、 寝た。




