デルタvsウミウサ
デルタの発言を理解出来て居ないのか、 小首を傾げている。
「まぁ、 分からねえか」
何の為に戦うのか。そんなものは人それぞれだ。
ただ……。
「ただ、 聞きたかっただけさ」
「そうですか……あなたの過去に何があったかは聞きませんけど、 その理念を私に問わないで下さい」
……?
何だ?
「そんな人……そんな人は……--------
--------殺したくなっちゃいますから♡」
「…………」
そーゆータイプかよ!?
「そうですねぇ、 敢えて答えるならば《趣味》、 ですかね? 人が絶望に怯える顔……死に際の顔と言ったら……はぁ、 考えるだけで……濡れてしまう♡」
狂戦士。
戦闘にのみ興味を示す者。
「さぁ、 出てきて!私の道具【オモチャ】……」
ズズズ……。
背中辺りから、 漆い霧を放ちながら出現するそいつはやはり、 先程も見た竜だった。
漆黒の身体に生えた無数の触手をうねらせ、 如何にも堕ちてそうだった。
「竜を相手にするのは初めてだぜ……」
そもそも人間が人外に勝てるのか?
「ってか! コイツ出場させちゃダメだろ!?」
「うふふふふ……何を今更、 泣き言? いいわよ……そんな人が壊れる瞬間も見物……」
結構な変態だ。
『キシャァァァァァァァ!』
最早、 吠えているのか鳴いているのか分からない。
奇声ににも似た咆哮を上げ、 尾(?)をうねらせている。
「危ない奴だろ!? ぜってー毒とかあるって!?」
「触手1本につきゾウ3体は殺せるレベルの毒しかありませんので……」
「人間の俺は即死じゃねぇかよ!?」
デルタは、 すかさず構築したばかりの能力、熱量調整【ヒート】を使用する。
この能力は自分の身体の熱量を故意的に操ることが出来る。
使い方によっては強力な能力だ。
熱量調整する場所は《脚》。
脚の熱量を上げ、 アドレナリンを発生させることにより身体能力を大幅に向上させることが出来る。
「さて……始めましょうか!」
そのウミウサのセリフを合図に、 駭々しく触手をうねらせながら前進してくる。
恐らく10本程ある触手をしならせ攻撃してくるが、 寸での所で躱すことが出来た。
やはり熱量調整【ヒート】……使い方によっては最強に近い。
「……速いわねぇ、 でも貴方、 透明化の能力じゃ無かった?」
「さぁ? 」
知らバックレながらも緊張の糸は解さない。
「そろそろこっちからも攻めますか」
指を鳴らし、 掌に衝撃を溜める。
襲撃波動【ダストシュート】の発動条件は地を叩くではなく、 衝撃を起こすだった。
衝撃を放つ能力ではなく、 衝撃を蓄積する能力。
「別の能力……!? 多種能力保持は有り得ないハズじゃなかったの!」
「悪ぃな……俺はそれが出来る」
と、 会場中がザワザワと騒ぎ始める。
「おい、 アイツは何者だ……!?」
「まさか、 あの噂の少年じゃ……」
「でも、 あれは噂じゃないの!?」
『おおぉっと!まさかの氏客が現れたァ!』
「……っ!? は、早く殺しておしまい!」
ウミウサは、 自分の身の危険を察したのか、 すかさず竜へと指示をだした。
しかし、 現在は既にデルタは竜の懐を駆け出していた。
指示通り、 触手を使いデルタへと攻撃を測る。
ずしゃ。
鮮血を撒き散らしながら吼えるのは、 竜の方だ。
自由剣技【カムイ】の能力により右腕の上部には、 既に刃が輝いており、 外部からの攻撃を一切通さない。
「そ……そんな…………」
「どうした、 恐怖で顔が歪んでるぞ」
ギリッ!
と、 ウミウサの歯噛みする音が聞こえる。
「あぁぁぁああぁぁあぁあ!!?」
ウミウサの咆哮と共に、 竜の触手が全方向からデルタを襲う。
しかし、 そんな攻撃も虚しく空をきる。
「悪いな……」
そのデルタのセリフはウミウサの耳元で囁かれた。
パァン!!!
ウミウサの耳元で衝撃を破裂させ、壮大な爆音を発して、 気絶させる。
すると、 竜も霧と化し散布する。
『…………し、勝者……デルタァァァ!』
「「ワァァァァァァァ!!!」」
デルタ、 第二試合。
突破。




