能力、漆竜従師【キャプチャー】
「まじかよ……」
蒼い瞳の少女、 ウミウサの能力は漆黒の竜を召喚するというとんでもない能力だった。
能力の中に召喚系統のものは恐らくあると踏んでいたデルタだったが、 まさか竜とは思っても見なかった。
まさに、 予想外。
いや、予想以上、 か。
そんな竜とどう戦闘すれば良いのかは謎だが……。恐らくウミウサ自体には戦闘能力は無い。細身の腕には余計な肉、 筋肉は一切付いていない。 身体能力が高いとは到底思えない。
肌の白さから余り外出を好まない事も分かる。
ハッキリ言って雑魚だ。
これはただの憶測だが、 召喚系統の能力は本体が戦闘不能となった時点で消える。
制御する者がいないからだ。
この勝負は、 竜の動き次第で勝敗が決まる。
…………しかし何故そんな娘がこのコロシアムに出場しているのかが分からない。
お金に困っている、 という服装ではない。
ドレスみたいなフリフリだし。
……何か引っかかる。
そんな事を試行錯誤している途中。
「おい、 次はアンタだろ?」
「……え?」
大剣を背負うオッサン、ガンから呼ばれ、 次の試合、 つまりデルタとウミウサとの試合まで来ていた事を知る。
「しまっ……ねえ、 今までの試合、 どっちが勝ったか覚えてる?」
「あぁ、そりゃあな。 第一試合はタタリ、 第二試合はシシルだ」
やはりあの2人が勝った。
「サンキューなオッサン」
デルタは一言お礼を言い、 試合会場へと向かった。
Δ
『皆さんっ!第三試合はぁぁぁあぁ!!少年少女との戦いだァァ!!!』
幾度となく止むことのない歓喜の声を背に、 会場へと入場する。
先程のサバイバル会場よりも半分程狭い会場だ。
デルタとウミウサは、 向かい側の扉から共に入場する。
「あなた……眼は大丈夫なの?」
すっと、 怪我をした左目の傷跡をなぞる。
「あぁ、 大丈夫だが何かと不便だな」
デルタは--------笑った。
怨みの傷を撫で、 笑うことが出来た。
それは決して母親の事を許した訳ではない。
恨んでいる。 今でも。
だが、 笑わなければ……そうおもった。
「なんだか、哀しい」
「へっ、 言ってくれるじゃねえか」
今から戦う自分の相手を見据え、 問う。
「アンタは、 一体何の為に闘う?」




