ファウズコロシアム 2
『ワァァァァ!『良いぞ!『もっとやれっ!』
観客から飛び交う歓声の渦にのまれながらもしっかりと辺りを把握する。
どいつが強く、 どいつが弱く、 行動パターンを見切る。
「ウォラッ!」
「あぶねっ!?」
現状を把握しながらも敵の攻撃を避ける。
「そいっ!」
すかさずに反撃の蹴りを与へ、 たたたっと掛け逃げる。
デルタが眼を付けたのは、五人居た。
黒髪の細身の青年、《ララバイ》。
眼帯の少女、《シシル》。
坊主頭のおじさん、《ガン》。
大剣を背負うゴツゴツのおっさん、《ダルタ》。
葵髪の少年、《タタリ》。
この五人、 確実に強いと踏んだ。
コロシアム中に能力を構築した数は3。
熱量調整【ヒート】
この能力は、身体の熱を調整できる……と思う。
自由剣技【カムイ】
この能力は、 身体の何処からでも刀を取り出せる。
壁吸盤【トリッピー】
この能力は、 壁に張り付くことが出来る。
この3人以外の参加者は、 そもそも能力を使用していない。
つまり、 これが最初の闘いである事を示している。能力者のみのコロシアムで能力、 奥の手を隠しているのだから、 二回戦以上あってもおかしくない。
そして、デルタは考えた。
「……視無効【インビジブル】」
自分の姿を隠して逃げ回る。
「べ、別に怖くて逃げてる訳じゃねぇ……」
相手を持たないそんな台詞が呟かれる。




