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蛇足その一、『母と言う名の暴君』

「――幕開けだったのである……って何勝手なモノローグ入れてんだよ、ボクは!」

 自分で自分にツッコミ入れながら、自室の床を転がる。

 どっからどう見ても挙動不審。

 こんな場面を誰かに見られたら、何を言われるか解ったもんじゃないですよ。

 まあ、部屋の鍵はかけてるから問題ないんだけどね。

「何独り言いいながら悶えてるの? キモい子ね」

「母上っ!?」

 見あげればそこには――紙一重で人相悪いと言われそうな鋭い視線/それなりに整っていると思われる顔立ちにナチュラルメイク/前髪長めで腰まで届くロングな黒髪/貧乳……否、スレンダーな身体/その身を包むのはシャツにジーンズと言う――高校生の息子がいるとは思えない服装をした我が母上が立っていた。

 つまり部屋のドアが開いていた。

 ――……へ、部屋の鍵はかけてあったのに何故?

「こんな鍵、針金一本あれば楽ショーよ。アンタ、我が家が諜報のすぺしゃりすとの家系だって解ってる?」

「……それを解ってるけど、母親がわざわざ鍵をかけてた息子の部屋に侵入して来る理由は解らねーのですよ」

「……晩御飯よ」

 とってつけたように言う我が母上様。

 嘘ではないだろう。嘘ではないが……おそらく、呼びに来たら息子の悩ましい声が聞こえてきたのでちょっと弱みを握ってやろうと聞き耳立てた、って事だと思われる。

 ……この母親、息子の弱みを握ってどうするつもりなのだろうか?

「今日のご飯はウナギのお刺身よ。精がつくこと間違いなし!」

「そんな料理聞いたことないよ! って言うかウナギの血液には毒ありますよね!!」

「毒に負けない身体を作るには毒に慣れるのが一番!」

「嫌ぁぁぁぁッ!」

 ボクは今日も笑顔で息子に毒を食わそうとする母に絶望した。

 こんなのが我が家では日常茶飯事なのである。


 ……ホント、食事は気楽に楽しんで食べたいですよ!

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