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職人1

 シュラーの森を抜けて一旦始まりの街に戻る。さて、まずはどのあたりから攻めていくかな。とりあえず灯に聞いてみるか。



「おーっす、今大丈夫か?」


『あ、お兄ちゃん!聞いたよ!いつの間に薬師のジョブが使えるようになったの!しかもそれを教えてくれないなんて!』


「悪い悪い。どうせ教えるならいろいろできるようになってからの方がいいと思ってな。それにエミリアたちに言ったときお前いなかったろ」


『それでも一言くらい言ってくれてもいいじゃない!』


「悪かったって。お詫びに晩飯は好きなもの作ってやるから。そうだな、ハンバーグでいいか?」


『うぐ!だ、騙されないんだからね!……でも、食べたくないこともないから許してあげてもいいけど……』



 灯は大好物がハンバーグだったりする。次点でカレーだ。別にダメというわけじゃないし否定するわけでもないが、どうも小学生の男の子っぽいなとか思っているのは内緒だ。



「そうかそうか。ならこれで交渉成立だな。ところで聞きたいことがある」


『なんかお兄ちゃん最近図太くなったよね……で、なに?』



 はて?そんなに図太くなったかな?ただ地雷職を選んでもへこたれなかったり、新発見なことをいくつも隠してきてそのたびに問い詰められたりしても平気にしてきただけなんだが。



「その薬師でクエスト受けたんだが、どこになにがあるのかちょっと教えてほしい」


『一緒にやろうか?』


「そういうお前らこそいいのかよ。ていうか今どこにいるんだ?」


『もうそろそろ南の森も攻略されそうだし、一旦他のフィールドの探索も進めようってことになって今は北のフィールドにいるよ』


「じゃあこっちまでわざわざ戻ってくるのも面倒だろ。ただでさえ二つ目のフィールドからは面積が広くなってんだから」


『え?でもポータルで設定しておけば、街のポータルから最後に使ったポータルの間だけは自由に行き来できるよ?』


「え……知らなかった……」



 まじか……だったら俺、最初にヘビ公に会う前にポータルに登録しておけばよかった。そうしておけばわざわざ街からそれなりに遠いところにあるあの湖に向かわなくて済んだのに。

 池と湖の距離はそれほど遠くなかったから、そうしておいたら結構楽だったかも……



『これだけ広いのにイチイチ補給に戻ったら最初からやり直しなんてことあるわけないじゃない』


「そうなんだよな……そうだよな……」



 そうですよねー。まったくもってごもっとも、正論でございます。それならどうすっかな。場所を聞くより一緒について来てもらった方が速いし確実だが……



「いや、やっぱいいわ。でも、もしよかったらそこのフィールドで取ったものとか一旦見せてくれないか?もしかしたらそれで作れる薬の幅が広がるかもしれないし。物や状況によっては買い取ってもいいぜ?」


『んー……わかった。じゃあ後でお願いしようかな。それで?なにを聞きたいの?』


「おお、悪いな。じゃあ……」



 その後俺は灯から素材のありかを聞きまくった。

 ぶっちゃけ骨以外はまったくどこにあるかも見当がつかないからほとんど全部のことを聞いてしまって、途中からやっぱり一緒に来てもらえばよかったかなとか思い始めたのは心に留めておこう。



「サンキュー。助かったわ」


『今晩の夕食、忘れないでよね』


「分かってるって。じゃあな」



 通信を切る。さて、じゃあまずは手始めに北の森に行ってみるかな。そういえば俺って南方面以外じゃ北の森しか言ったことないよな。もうゲームが始まって三日ぐらい経つのに。



 とまあ、そんなことは一先ず置いておいて、北の森に向かう。ここではパワフルベアーの肉と魔力を帯びた水が手に入るらしい。



 といっても、あまり難しく考えなくていいだろう。なにせレベルは圧倒してるし、パワフルベアーは名前のわりにはあまり強くない。初心者が攻撃力のあるモンスターと戦うときの練習用ともいえるモンスターなのだ。

 しかも魔力を帯びた水に至っては最初に灯やギルに連れられて行ったあの湖の水だ。ビーカーにでもいれていけばいいだろうし、ここは簡単だな。



「おお、やっぱここらへんにはもう誰もいないか。皆先に行っちゃったんだな」



 フィールドはガラガラだった。そりゃ皆して奥のフィールドに行ってるんだろうからな。それでも時々いる人を見かけるが、それは何かしらのクエストをやっているのだろう。



「グマーーーーー!」


「おお、なんか出た」



 そんなことを思っていると、早速件のパワフルベアーが出てきた。

 見た目は赤めの毛色をしたクマで、左右の手の爪が伸びている。レベルは初心者用フィールドのここではそれなりの高さの5だ。

 これくらいならモンスターを呼ぶまでもないな。スパークら辺でいけそうだ。



「グママママ~~」



 はい、瞬殺でした。特に思うことはないな。なにせレベル差が20もあるんだし。基礎ステータスが違うからこんなもんだろう。



「よしよし、上手いことゲットしたな。肉だけに」



 若干周りの空気がひんやりした気がするが、気のせいだろう。ただ、なんとなく周りに人がいなくてよかったとは思ったが。



 そしてどんどん奥へと向かっていく。目標は例の湖だ。道中は特に変わったことはなかった。せいぜい歩くのにだれてきてブラックウルフの背中に乗った程度だ。

 もちろん採集も忘れなかった。南の森にはなかったものもあったからいい収穫だった。



大根 

 食べるとHPを15%回復する。すりおろしてみると一部のアイテムと相性抜群

調合例:大根おろし


大地の肉

 食べ方によってさまざまな効果が表れる。そのまま食べればHP5%回復

調合例:枝豆


ハチミツ

 甘くておいしい蜜。食べるとMPを14%回復する。他の素材と一緒にしても合う

調合例:ハチミツジュース



 こんなもんだった。なんとなく食材が多いのはフィールドごとの仕様なのだろうか?南の森は結構まんべんなくあったんだが。

 ていうか大地の肉なのに調合例が枝豆っておかしいだろ。一体何がどうなったんだよ……。



 なんてことを思いながら湖に行き、フラスコにそこの水を入れて収納する。これでここでできることは終わったな。

 このままボスに挑んでもいいかもしれないけど、さすがにそこまですると面倒だ。今は薬師のレベル上げを優先するか。シングルテイクボーナスならいつでも手に入るんだし。



 さっさとウルフの背中に乗って北の森からはじまりの街に戻る。そういえば素材の換金もそろそろやらないとな。

 アイテムボックスの中が結構すごいことになっている。なにせ三時間近く森にこもっていたのもそうだが、灯たちと一緒に行った時の素材もなんだかんだ言って売ってないからかなり余っている。



 折角始まりの街にいるし、それにそろそろ布装備や杖なんかを作ってもらうやつを見つけてもいいだろう。

 夕食までは少しだけ時間があるし、夕食が終わってからもまだまだ時間はあるんだ。気長にやるか。



 というわけで生産職がたむろしている、通称「市場」に来てみたのだが見てみると、そう少なくない人数が露店用のアイテムの敷物を敷いている。 

 こっちも本格的に始動してきたなとか思いながら市場を見て回る。



「どうだいどうだい!このクロスボウ!そこいらのやつになんか負けないぜ!」


「アクセサリーはいかがですかー!素材も高価買取していまーす!」


「男なら黙ってふんどし!どうだいそこの兄ちゃん?これ一つで男が上がるぜ!」



 などなど活気のある声が聞こえてくる。エレガティスにも負けない勢いだ。ていうかふんどしとか別にいらないし。てかなぜこの段階でふんどしなんて作ろうと思ったんだろうか……。



「んー、やっぱ掘り出し物なんてなかなか無いか。まあ、比べる対象が間違ってるのかもしれんが」



 俺のボーナス装備と比べるとやはりどれもまだ少し見劣りする出来だったから食指が動くものはなかった。

 やっぱここは素材だけ行きずりのやつに売っておくかと一度周りを見渡してみたら、隅っこの方で女の子が一人、声も出さずにじっとしているのが見えた。

 耳よりすこし長い長さの、茶色の髪色をしている幼めの顔立ちをした娘だった。



 露店用のカーペットを敷いているから周りと同じ生産職なのだろうが、呼び込みもしていないのは変だな。

 ちょっと好奇心に負けてその娘のところに行ってみると、その娘は俺を見てオロオロとし始めた。俺、特に何もしてないよな?



「なあ、君は何売ってるんだ?」


「は、はい!えと……ぬ、布装備を売ってます!けど……」



 一瞬嬉しそうな顔をしたが、すぐに顔を背けてしまった。どうも自信なさげというか、オドオドしている娘だな。



「ちょっと見せてもらってもいいか?ところで商品ってどこにあるんだ?」



 この娘のカーペットの上には何も置かれていなかった。布装備を売っているんだったらいいのが俺にちょうどいいし、機能性が無くても見た目が良かったら買ってみようかとも思っているんだが。

 ちなみに俺用のカーペットのために節約しないのかとも思うやつもいるだろうが、今ならまだもっている素材を売っていけばかなりの額になるからあまり気にしていない。



「あ、そうでしたね……あ……」


「どうしたんだ?」


「あの……カーペットの上に服を出すのってどうしたらいいんでしょう……」



 俺たちの間に「ピュー」と冷たい風が吹いたような気がした。




「す、すいません。お手数おかけしてしまって……」


「いや……まあ、気にしなくていいって」



 あれからちょっとの間、服の出し方について二人して四苦八苦してようやく服を出すことに成功した。なにも特別な動作は必要なく、ただカーペットの端にあるメニューボタンから売りたいものを選択すればよかっただけだった。

 こういうのって、簡単なんだけどいざ手探りでやってみようとするとなかなかできないもんなんだよな。



「それにしても……なんか装備って感じしないな」


「はうう……やっぱりそうですよね……」



 苦労していざ並べてみた服は……どれもかわいかった。花柄のスカート、ストライプ柄のパーカー、真っ白なワンピース、動物の形をした帽子などなど、端的に言えば少女趣味、下手をすると子供服と言われても仕方ないようなものが盛りだくさんだった。



「で、でもこういうのって、見た目重視な人たちからしたら結構注目の的だとおもうぞ!ほら、この犬の形をした帽子なんてタレ耳になってていいんじゃないか?」


「間違って乗せちゃったけど、それ失敗した奴なんです……本当ならネコにしようと思ったのに……」



 逆にネコ作ろうとしてイヌが作れるって才能だと思う!いや、これが失敗しただけってのはわかってるんだけどね。

 どうりでイヌにしてはヒゲが生えてると思ったんだよ……。



「で、君はなんのジョブなわけ?」


「わ、私は裁縫士なんです。確か……衣装コースだったはずです」


「衣装コース?」


「ええと……裁縫士を選んで、その後に戦闘装束か普段着を作るかで分かれていたんです。私は戦うのに関係するのは遠慮したかったから普段着を作る方を選択したんです」



 目の前の娘にも言って、ヘルプを二人して眺めてみた。ヘルプによると、裁縫士や他の一部の生産職には、戦闘で使うものを作るコースと、見た目だけで楽しむものを作るコースで分かれているものがあるらしい。



 前者は文字通り剣や布の防具などを作るコースなのだが、後者は装備していてもステータスが上がるわけでもなく、ただ見た目だけの装飾品を作ることができるのだそうだ。もちろんファッションアイテムというわけではないらしい。ただの純粋な飾りというわけだ。



 だがその代り、前者を選んだ時よりも作ったものの見た目はずっと自由にいじることができるらしいのだが。

 どうやらオシャレをしたい人に向けた機能らしい。まあ、どこぞの中二病娘のような人もいるだろうから、その人達用のネタ装備を作ることができるというわけだ。



 今回の場合で言えば、この娘は後者の方を選択して、ステータス補正こそないものの、見た目は前者を選んだ時よりも自由度の高いものを作れるような方面に進んだということになる。 



「なるほど。で、どうしてさっきまであんな態度で隅にいたんだ?カーペット買ってるからそれなりに儲けたし、人には慣れているはずだろ?」


「あ、このカーペットは本当は私の物じゃないんです。こちらで知り合った方から貸していただいたもので……」



 ふーん、ずいぶん変わった人もいたもんだ。見ず知らずの娘に高価なカーペット貸すなんて。ていうかその人自体はどうやっていま商売してんだかね。



「なんというか……その……なんだかほっておけなかったらしくて……。自分はカーペット無しでもやれるし、ちゃんとレンタル料は取るから貸してあげるって言って……」


「へえー。友達?」


「はい。一応はフレンド登録?も済ませました」



 なんというかこの娘、ゲーマーって感じしないな。俺もMMOは初めてだけど、決してゲームをやっていないわけじゃないし、むしろ周りがやっているのとは違うっていうだけで今までそれなりにやってきてた。



 でもこの娘ってなんか機械音痴な感じがするんだよな。なんだろう?友達に誘われて機械が苦手なのに無理に押し切られて参加しちゃった感じか?



「やっぱり変ですよね?私みたいなのが今人気のこのゲームをやってるのって」


「あー、いや、その……なんだ……そうだな」


「ふふ、気にしないでください。私も自覚はありますから。もともと、これはお父さんが買ってきてくれたんです。お兄ちゃんに相談しながら」



 親父さんが買ってくれたのか?ずいぶん優しいんだな。兄貴に相談までするんだから。



「私、体が弱くって……昔からあまり外で遊んだりとか友達と遊んだりとかしたことなかったんです。それでお父さんが、高校にも入ったしこれなら自由に動き回ったりしたり、人と遊べるんじゃないかって言ってこのゲームを買ってくれたんです」



 そういうことか。やっぱりずいぶんと優しい親父さんだな。けど、こういうことをペラペラと喋るのはよくないだろ。



「そっか、サンキューな。聞かせてくれて。でも、これからもこのゲーム続けるならそういう話はあまり人にするなよ?」


「あ、そうですよね!すいません……」



 もしかしてこのカーペット貸してくれた人も、この娘のこういううっかりなところを見てほっておけなくなってしまったんだろうか?一度会ってその時の状況を聞いてみたい気もする。



「今度から気を付けろよ?でも、結局生産職になったんだな」


「はい……どうしても戦うのが怖くって……。折角お父さんが買ってくれたんですけど、私はどちらかというとこういう可愛い服とか作るのが好きなもので」


「そんな感じだったら昨日までどうしてたんだ?」



 この娘の性格上、どうしても周りにいるゲーマーたちに交じって商品を積極的に売っていたとは考えにくいんだよな。



「初日はログインしていろいろやってみたんですけど二日目は前の日に興奮した性か、少し熱を出してしまって……」


「で、周りから乗り遅れたと」


「はい……皆さんすごいですよね。たった一日やっていないだけなのにこんなに周りと差がついているとは思いませんでした」


「ま、そういうのがMMOではよくあることらしいからな」



 っと、結構話し込んでしまった。この様子だとあまり買取とかできなさそうだし、他の店で素材は売るか。

 でも、自由度が高い服が作れるっていうのは面白そうだな。ここで会ったのも何かの縁だし、すこし注文を出してみるか。

 あれ?俺もこの娘を見てほっておけなく感じてる?



「なあ、ちょっと注文出してもいいか?」


「は、はい!なんでしょう!」



 途端に身構えてしまった。まあ、あの様子だと直接注文を受けたことはおろか、売買をやったことがあるのかも怪しいし、緊張してるんだろう。



「このコートにフードつけたいんだけどさ、できるか?」



 そう、このコートにはフードがない。コートにフードがついているというのも変と言えば変かもしれないが、探せば革のフード付きコートというのもあるらしいし、いいだろう。



 常々考えていたことがある。モンスターの軍団を引き連れ、長いコートを着てフードをかぶり、決して素顔は見せないプレイヤー……少しかっこよくないか?

 だから俺はできるならここでフードを付けたいと思う!本当なら魔術師っぽくローブに付けたいのだが、この際気にしないでおこう!



「はあ、フードの追加ですか……ちょっと失礼します」



 そういって俺のコートの裾を手に取り、スキルなのかジョブの効果なのかはわからないが、ウインドウを出してしげしげと眺めだした。そして少しの間逡巡したのち



「はい、可能だと思います。でも、一から作るならともかくこのコートに合わせて追加するとなると、それに見合った素材が必要になるらしいんですが……」


「じゃあこれでいいか?」



 俺はアイテムボックスから灰色巨狼の毛皮を取り出す。そういえばこいつらもすっかりボックスの肥やし状態だな。速くどうにかしないと。



「すごい……私でもこれが珍しいアイテムだってわかりますよ。えっと、大丈夫みたいです。作るとなるとあと一枚必要らしいんですが……」


「ほれ、もう一枚」


「ありがとうございます。あの……ここまで用意してもらってるんですが……私が成功するかどうかは……一応この素材も扱えるには扱えるんですけど……」



 あー、確かにな。俺も生産失敗したことあるから分かるぜ。あれって結構ショックだよな。



「いいって。無理だったら無理で、諦めるなり他の人にやってもらうなりするから気楽にやりな」


「は、はい!頑張ります!それで、デザインはどうしましょう?」


「このコートに合うように頼む」


「分かりました!」



 気合を入れて作業に入り始めた。ただ、フードだということと、デザインの参考が目の前にあるからか作業自体はあまり時間がかからなかった。



「では……いきます!」



 右手に糸を通した針を持ち、左手で毛皮を持って作業に入る。数針縫ったところで光りだし、コートの色と同じ色のフードができていた。どうやら成功したらしい。



「や……やった!できました!」


「おめでとさん。早速見せてくれよ」


「はい!」



グレイリーダーコートのフード

分類:頭装備

種別:アクセサリー装備



「成功だな。付けてもいいか?」


「はい!どうぞ!」



 嬉しげだな。まあ、ほとんど初めてと言っていい仕事だったろうし、無理もないか。はしゃいでまた熱だすなよ。



 フードを受け取り、メニューを表示させてコートに追加させる。すると、俺のコートにフードが付いた。結構大きくて顔をすっぽり隠せるが、それでいてコートと調和している。いい出来だ。



「いい出来だな。金は……これくらいでいいか?」


「え!こんなにもらっていいんですか!」



 こんなにって言っても1200Gなんだけどな。リザードマンの槍が1000Gで、服だからちょっと高くなると思ってこの値段なんだが。

 マジでこの様子だとまともに商売したことなさそうだな。まあ、俺もこういうものの相場を知っているわけではないんだが。



「だいたいこの位だろ。気にするなって」


「あ、ありがとうございます!」


「そだ、これからも頼むかもだし、俺ともフレンド登録しないか?」


「はい!お願いします!」



 こうしてフレンド登録をすませた。今更だが、この娘はユリカというらしい。



「じゃあな。また機会があれば来るぜ」


「はい、お待ちしています!」



 そろそろ夕食の用意もしなければならない時間だったのでログアウトした。他の素材を売るのは夕食の跡でかな。

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