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戦後処理

PV887000オーバー、ユニーク100000オーバー、逆お気に入りユーザー100人突破、5日続けての日刊ランキング1位を達成しました!


これほどの栄誉を受け取ってもいいのでしょうか……あとが怖いです(笑)。

 ほどなくして俺たちはファンキーモンキー達を撃破して開けたフィールドに腰を下ろして休みを取っていた。

 灯たちは誰が欠けたわけでもなく全員が無事だったがエミリアのMPが尽き、リサの矢は使い切った。勝つことはできたが相当な激戦を繰り広げたようだ。



 一方俺はというとゴーレムとリザードマンがディレイを必要とし、後五分は召喚できない。リッチは無事だがここに来るまでの戦闘と青髪との戦闘でMPが三分の一を少し割ったくらいにまで落ち込んでいる。俺自身のMPもほとんどない。松明もそろそろ切れそうだ。



「なんとか生き残れたな」


「そうですね。それにしてもセスさんは凄いですよ。一対一で中ボスを倒すなんて」


「ホントにね。僕たちは一匹に二人がかりでやっと倒せたのに」


「そんなことはないさ。サモンモンスターも合わせれば四対一だったし、皆よりも負担は軽かったはずだ」


「でもミイ達は全員がレベル20を超えた状態だったニャ。でもレベル20以下で倒せたんだからホントにスゴイニャ」


「だよね。そだ、お兄ちゃん、今レベルどのくらいになってる?ここまででも結構戦闘こなしたしさっきのと合わせてかなり上がってるんじゃない?」


「そうだね。格上と戦ってばかりだったから経験値の入りは良かったはずだよ。たぶん20は超えてるんじゃないかな」


「そうだな。じゃあ見てみるわ」



 言われてみれば今までステータス開いて確認してなかったな。さて、今回の探索でどの程度レベルが上がったか…………は?



「え?なによこれ…うそでしょ!?」


「どうしたのさ…ってええ!?なんだいこれ!」


「ニャ!し、信じられない……」


「お兄ちゃん……これって…」


「ああ、俺ってもとはレベル12だったはずなんだがな……」



セス

LV:25


STR 16 

VIT 22(+8)

INT 25(+5)

DEX 10(+15)

AGI 10(+30)


残りステータスポイント:55



「なにこのレベル!いくら格上と戦ってばかりだからってこんなに高くなるわけがないわ!」


「今のトップレベルって確か23だったような……」


「おかしい……こんなの絶対おかしいって…」


「お兄ちゃん、なにか心当たりはないの?」


「うーん、たぶんサモンモンスターからのピンハネ分が積もり積もったのか?三体いて、しかもどの

戦闘も俺を含めた全員で戦ってたから俺が本来もらえる分の経験値と、それぞれのモンスターからもらった分が合わさってるんだと思う」



 例えば経験値を3もらうとする。サモンモンスターだけに戦わせた場合は俺とモンスターのもらえる経験値の比が1:2となる。

 だが俺が戦うと本来戦った分の経験値の分の3がもらえるから今度は比が4:2になる。



 そこにさらに他の二体からの1ずつの経験値をもらうから単純な俺とサモンモンスターの経験値の比は6:2、つまり3:1だ。



 これはサモンモンスターが10レベルが上がれば俺は30レベルが上がるということになる。もちろんレベルが上がるごとに必要な経験値は多くなってくるからここまではっきりとしているわけではないがそれでも一度にかなりレベルを上げることができる。



「そうだ、サモンモンスターたちのステータスってどうなってんだ?」


「そうだね、確かめてみてよ」



 そして確かめてみたサモンモンスター達のステータスがこれだ。



ヒートゴーレム

LV:23


STR 49(+3)

VIT 55(+5)

INT 15

DEX 10

AGI  5


攻撃に火属性付与。弱点属性の相手に対しダメージ二倍。水属性攻撃に対し被ダメージ二倍


残りステータスポイント:9


装備:ブロンズツーハンドソード



リザードマン

LV:20


STR 20(+5)

VIT 19

INT 14

DEX 16

AGI 14


使用魔法


ビルドアップ

ファイア


空き魔法保有量:2

残りステータスポイント:34




リッチ

LV:20


STR  2

VIT  6

INT 60(+5)

DEX 20

AGI  5


使用魔法


ダークボール

泥沼

ウインドスラッシュ

ライトニング

アースニードル

ウォーターウェーブ


空き魔法保有量:4 

残りステータスポイント:34



「どいつもこいつもレベルが20を超えてやがる…こりゃすげえな」


「すごいなんてもんじゃないよ!これって全員がレベル20を超えてるパーティーとかわらないってことだよ!?」


「私たちも全員20は超えてますけどそれだってかなりトップレベルのパーティーだからですよ。他のパーティーはここまでじゃないです…」


「なんだか本当に召喚職って弱いのかなって思ってしまうね」


「ホントだニャ。ミイもサモナーにしておけばよかったニャ」


「あ、そうだ!レベル20を超えてるんだからアビリティも変化してる筈だよ。お兄ちゃん、見てみてよ


「そういえばそうだったな。どれどれ…」



『コストMPカット』

 魔法・スキルなどの発動以外で消費されるMP消費無効

 サモンモンスターを召喚するときのMP消費を中軽減する

 状態異常を引き起こす効果のあるスキルの発動に必要なMP消費を半分にする



 ふむ、二つ目のMP消費量軽減が小から中になっててしかも状態異常を引き起こすスキルの発動に必要なMPが半分になっている。これはかなりつかえるんじゃないか?



「わっすごい!状態異常のスキルのMP消費が半分だって!」


「これは状態異常を引き起こすスキルだったらなんでもMPが半分で済むってことですよね…すごすぎます」


「一体どんなプレイの仕方していればこんなアビリティになるんだい…最初の効果だけでもかなりいいやつなのに」


「うらやましいニャー、うらやましいニャー」 



 なんかまたえらいことになってしまったらしい。理由としてはスパークとパラライズトルネードばかり使ってたってことか?

 他にデバフ特化で状態異常のスキルばっかとるやつはいただろうけどそれだけでダメージを与えて敵を倒しまくるやつなんて、言っちゃなんだが俺以外にいない気がする。



「はー驚いた。驚きすぎて疲れちゃったよ。皆、そろそろ街に帰ろうよ」


「そうだな、帰るか」


「ええ、そうしましょう」



 こうして俺たちはエレガティスの街に帰ることにした。帰りにも敵は襲ってきたがリサが弓なしでも短剣で頑張って、ゴーレムたちのディレイが解けたことで人数が多くなったこともあってか何とか誰も死なずに街に帰ることができた。



 今俺たちはメシ屋に入り一息ついているところだ。それぞれがアイテムの整理やらステータスのチェックやらをしている。

 俺はというととりあえず余りあるステータスポイントを割り振ってしまおうとして自分のステータス画面を開いている。



 どうやらサモンマスターになるとサモンモンスター達にそれぞれレベルが設定されてステータスポイントが個別に着く代わりに俺のステータスポイントからのステフリができなくなってしまうようだった。

 なので今は自分のために存分にポイントを振ることができる。ここまで来るとポイントを温存しておく意味もなくなってしまったので10ポイントを残し後は全部振る予定だ。



セス

LV:25


STR 16 

VIT 22(+8)

INT 25(+5)

DEX 10(+15)

AGI 10(+30)


残りステータスポイント:55



 ステータスがこれなわけだが実際は()内の数字も割り振られるのでSTR以外は全て20を超えていることになる。

 さてどうするか。ていうかホントに魔法職なのにINTとVITが同値でそれ以上にAGIが高いってどうよ。しかもDEXとAGIに至っては最初から一回もポイント振ってないのに。



 まてよ、そういえばレベルが20を超えたんだから新しくまたサモンモンスターを受け取れるってことだよな。新しく手に入れるモンスターのことも考えてステフリをしないと。



 うーん、今日の戦いの反省点としてはやっぱりまだスピード系のやつには弱いってことか?リザードマンがモンスターの中では一番AGIが高いけど専門的なやつには負けるし…それに回復職も欲しいしな…。


「なに悩んでるの、お兄ちゃん」


「レベルが20を超えたから新しいモンスターを手に入れられるんだがどんなやつにしようかと思ってな。それによって俺のステフリも変える可能性もあるし」


「そうですか。セスさんはどんなモンスターが欲しいんですか?」


「ぱっと思いつくのはスピード系のやつと回復職かな。まだまだ足の速いやつに対しては一歩遅れるし回復できる奴がいれば戦闘の幅も広がるし…あ、味方の強化ができるやつも欲しいかも」


「スピードタイプのはともかく回復職はモンスターではまだ難しいかもね」


「そうなのか、リサ?」


「うん。βでサモナーをやってた人が気づいたんだけどどうやら選べるモンスターってフィールドに出てくるそのレベル帯のモンスターしか原則選べないようなんだ。

つまりレベル20だったらフィールドに出てくるレベル20までのモンスターしか選べないってことになるね」


「それだと回復職はムリだニャ~。だって今までだってモンスターで回復してくる奴なんてここら辺で見たことないニャ」


「そっか、となるとやっぱまだ回復はポーション便りってことになるな」


「そのポーションもねー。ここら辺の奴だと大体自分のHPの10%くらいしか回復してくれないから前衛としては困るんだよね」


「ええ、βのとき私も本当に困りましたよ。当時私も回復魔法を取ってなかったですからね。なんどヒールを取っておけばよかったかと後悔したかしれません」


「ボクも回復は全部ポーションでいいかなんて思って痛い目にあったことがあるよ」


「ミイも思ってたほど回復しなくてポーション使ってる間にモブに囲まれて死んだ記憶があるニャ……」


「大体初心者用ポーションの時は一気に回復できたのに普通のポーションになってから一気に回復量が減るってどういうことなのって話だよね」



 女子特有のあの空気を発しながらの愚痴大会になってしまった。こうなったらもう止められんし一人で考えるか。



 ポーションの回復が期待できないってことは是が非でも回復魔法は欲しいが現時点では手だてがないな。今日の狩りで所持金が9700Gになったのはよかったがこれだとまだスキルショップでスキルが買えないし、リッチもアンデットだから回復魔法は使うことができない。



 戦闘だけでよくもこんなに貯まったなと思うだろうが、途中でフィールドにいるNPCと出会いそのクエストを達成して、その報酬の分も入っているのだ。

 なんだか成金みたいな恰好をしてたな。なんでもモンスターが珍しく、実際に見てみようと思って来たら護衛とはぐれてしまった。金ならいくらでも払うから助けてくれ、っていう内容だった。

 最終的に渋って思ったほど金を渡さなかったから皆してムダだとはわかりつつも武器でぶん殴ったりしたのはいい思い出だ。



 スキルは今日の素材を売ればその金で買えるがINTがもう十分な量に達しそうなのでそろそろ俺自身もそれなりの威力のあるスキルを手に入れておきたい。

 でもそうなるとまた金が足りなくなるし、どうしよう。



 そういえばあの青髪の攻撃ってかなりやっかいだったよな。魔法使うのに動くし使ってる間も効果が発揮されるから対処も難しかったし



 基本的に魔法を使っている間って動けないんだよな。なんて思っていると俺の中に一つのアイディアが浮かんだ。

 ……これならもしかしたら俺も魔法使いながら動けるんじゃないだろうか。少なくとも試してみる価値はあるな。

 


 そうなると俺が次に選ぶサモンモンスターはスピード系に決定だ。ついでに上げる項目はINTとDEXとAGIだ。三つも上げるなんて本来なら効率が悪い気もするけどそこはもともとモンスターを召喚して戦わせるサモンマスターだしいいということにしよう。



「45ポイントの内半分はINTに振って…次にDEX、少し減ってAGIで……こんなもんでいいだろう」




セス

LV:25


STR 16 

VIT 22(+8)

INT 48(+5)

DEX 25(+15)

AGI 17(+30)


残りステータスポイント:10



 こんなもんか。パッと見全体的にステータスは高いような気もするけどこれが極振りだったり二つの項目に絞ったステフリだったりする連中がほとんどだろうからはっきりいって器用貧乏といっていい。あまり思わしくないステータスだと思う。



 まあ俺は攻略組の仲間入りをしたいわけじゃないし自分のペースでやっていくつもりだからこれでなんの問題もない。

 ただモンスターたちのステフリは俺の予想が当たっているかどうかで変えることにしよう。



「さてと、それじゃ俺はこの後始まりの街に行ってくるけど皆はどうする?もう少しここにいるか?」


「私たちはもう少しだけこの街とフィールドを探索してから戻るつもりです」


「そっか、じゃあ俺は一足先に行ってるぜ。約束通り情報はそっちに丸投げするから好きにしな。あ、でも知り合いに会いに行くからそいつにはしゃべるかもしれないけどそこは勘弁してくれ」


「もちろんです。今日はどうもありがとうございました。フレンド登録いいですか?」


「あ、ボクもいいかな?今日はありがとね」


「ミイもいいかニャ?」


「おう、もちろんいいぜ」



 三人とフレンド登録をして俺は再び始まりの街に行く。俺の予想が当たっていれば俺の戦い方はさらにおもしろいものになりそうだと思いながら。

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